4. 新NISAとiDeCoの併用のポイント

50歳代からの資産形成における、新NISAとiDeCoの併用のポイントは次のとおりです。

  • iDeCoを満額拠出して残りの余裕額を積立投資に回すのが基本
  • 投資先はiDeCoとNISAを合算して考える
  • まとまった貯蓄が手元にあるなら成長投資枠を積極活用

双方を併用するときには、まずiDeCoを満額拠出して残りをNISAに回すのがよいでしょう。

拠出額が所得控除となるのは、iDeCoならではのメリットです。

一般論としてはiDeCoは途中で引き出せないことがデメリットとなりがちですが、老後までの期間が短い50歳代は、途中換金の自由度よりも老後に向けた資産形成を優先した方がよいでしょう。

また、残りの余裕額はNISAの積立投資を活用して、半強制的に月々の余裕資金を投資に回しましょう。

スポット投資でタイミングを探っていると、ついつい機会を逃して結果的に投資が進みにくくなる恐れがあるためです。

毎月の余裕資金を、計画に従って確実に投資に回していきましょう。

ポートフォリオを考えるときには、iDeCoとNISAを合算して考えましょう。

iDeCoは、多くの場合投資信託などの有価証券に投資するため、一定の価格変動リスクがあります。

NISAの資産構成だけをみて投資先を選んでいると、実は過剰なリスクを取ってしまう恐れもあります。

もし手元に潤沢な預金があるなら、残しておくべき資金を見極めたうえで早めに成長投資枠を活用して投資に回すのも一案です。

老後までの時間があまりないことを踏まえると、いますでに手元にある余裕資金は、一気に投資元本を増やせるスポット投資に回すのもひとつでしょう。

成長投資枠を活用すれば、年間240万円までは一気に投資することもできます。

まずは余裕資金を早期に成長投資枠で投資に回して、さらに毎月の余裕資金を投資に回すべく、iDeCoとNISAでの積立投資を設定するとよいでしょう。

ただし、運用にはリスクがあることも忘れてはなりません。老後資金は確実に貯める必要があるお金だからこそ、自分自身のリスク許容度を見極めることがもっとも大切です。

参考資料

太田 彩子