3. 厚生年金「月額15万円」のはずなのに…振込額が2万円ほど少ない!その理由とは?

意外と見落としがちなのが、老後の年金からも「税金」や「社会保険料」が天引きされるということ。

「月額15万円だと思っていたのに、振込額が2万円ほど少ない…」となるのは、額面金額だけを見て、振込額を確認していないことが理由でしょう。

年金額や家族構成、住んでいる地域などにより天引き額は異なりますが、額面の85~95%程度が手取り額になると想定しておきましょう。

年金受給開始時には年金振込通知書が送付されますので、ここで「額面」・「天引き額」・「振込額」を確認することができます。

4. 老後の年金から天引きされる4つのお金

老後に受給できる公的年金から天引きされるお金は以下の4つです。

  • 介護保険料
  • 国民健康保険料・後期高齢者医療保険料
  • 所得税額および復興特別所得税額
  • 個人住民税

4.1 介護保険料

年金年額が18万円以上の方は、年金から介護保険料が天引きされます。

4.2 国民健康保険料・後期高齢者医療保険料

介護保険料と同様に、国民健康保険料も年金から天引きされます。

75歳以上になると国民健康保険から後期高齢者医療保険に切り替わり、後期高齢者医療保険制度の保険料が年金から天引きされます。

4.3 所得税額および復興特別所得税額

年金収入が一定額を超えると、社会保険料と各種控除額を差し引いた後の額に対して所得税が天引きされます。

4.4 個人住民税

年金収入が一定額を超えると、個人住民税も天引きされます。なお、住民税は前年の所得に対して課税されるため、年度途中で天引き額が変わる場合がありますのでご留意ください。

このように、老後の年金からもさまざま天引きされます。

厚生年金の月額が15万円の場合、1万5000円~2万2500円が天引きされ手取り額は13万5000円~12万7500円となります。

5. まとめにかえて

本記事では、老後に受給する厚生年金について、平均月額を上回る15万円を受給できる人の割合や、意外と見落としがちな天引きされる4つのお金を確認しました。

現在、5年に1度の年金財政検証が行われており、その結果を受けて制度改正の議論が交わされます。

今後、年金制度がどのように変わっていくかはわかりません。ただ、老後に向けて年金収入に依存しすぎないよう準備をするべきであることはたしかでしょう。

参考資料

和田 直子