過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2023年7月1日) |
6月15日に、2023年度分の最初の厚生年金と国民年金が支給されました。
昨今の日本では物価上昇が激しく、現役世代も家計が苦しく感じる方が多いでしょう。
こうした中、物価上昇までは追いつけないものの、2023年度の年金は3年ぶりに引き上げられました。
標準的な夫婦のモデル年金から算出すると、8月15日に振り込まれる夫婦の合計年金は約45万円にものぼります。
一見「高額」に思える受給額ですが、必ずしも「羨ましい」と言い切れない理由があるのです。
年金支給日や支給額についてくわしく見ていきましょう。
【注目記事】【6月支給分から増額へ】「国民年金・厚生年金」いくらもらえる?一覧表で平均受給額をチェック
1. 厚生年金と国民年金の基本的なしくみ
日本の年金制度は、図のように「厚生年金と国民年金」が2階建て構造となっています。
1.1 国民年金(1階部分)
原則として、日本に住む20歳から60歳未満の方は全員国民年金(基礎年金)に加入します。保険料は一律で、年度ごとに改定されます。
年金額(老齢基礎年金)も毎年改定されますが、40年間保険料を納付すれば満額が受け取れます。2023年度の満額は月額6万6250円(67歳以下の場合)と決定されました。
1.2 厚生年金(2階部分)
国民年金の上乗せとして、主に会社員や公務員などの「第2号被保険者」は厚生年金年金にも加入します。
保険料は報酬比例制なので、たくさん稼いだ方や長く働いた方が、多くの老齢厚生年金を受け取れる仕組みです。
納めた保険料や加入期間で受給額が決まるため、個人間の差が激しいという点を踏まえて、2023年度の「標準夫婦」の厚生年金額を見ていきましょう。