2. 公的年金のしくみ「国民年金保険料を支払わないといけないのは誰?」

日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」があり、2階建ての構造となっています。

年金制度のしくみ

年金制度のしくみ図

出所:LIMO編集部作成

1階部分にあたる国民年金には日本に住む20歳~60歳未満のすべての人が加入しますが、働き方等によって3つにわかれます。

  • 第1号被保険者:自営業や20歳以上の学生など
  • 第2号被保険者:会社員や公務員など厚生年金の加入者
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者

第2号被保険者は2階部分の厚生年金に加入し、厚生年金保険料として支払います(給与天引き)。また、第3号被保険者は保険料を支払う必要がありません。

そのため、国民年金保険料を単体で支払うのは第1号被保険者だけとなります。

厚生年金の加入要件が緩和されたことにより、国民年金の加入者は減少傾向にあります。

3. 「国民年金と厚生年金」2024年度の老齢年金は増額へ

保険料を納めることによって、将来はどれほどの年金が受け取れるのか気になる方が多いでしょう。

2024年度は2年連続の増額改定となり、国民年金は1人あたり月額6万8000円となりました。

続いて2階部分の厚生年金の支給額ですが、こちらは現役時代の報酬や加入期間によって決まるため、一律ではありません。

参考までに、「夫が厚生年金で妻が国民年金の標準的な夫婦」という場合、厚生労働省の試算では夫婦2人分で23万483円となりました。

2024年度の年金額の例

2024年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

ただし、この夫婦の年金は”平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」”という条件のもと試算されたものなので、当てはまらない方が多いでしょう。

厚生労働省の別の資料から、現役時代の報酬ごとに「単身世帯」「夫婦」の厚生年金例も確認していきます。