厚生労働省は2024年度の公的年金の支給額を前年比2.7%引き上げを発表しました。

また2024年6月21日の記者会見で、岸田首相は年金世帯や低所得世帯を対象に追加給付金を検討していると発言しました。

物価や賃金の伸びを反映し、2年連続の増額となり、6月14日から増額分が初回支給されています。

年金の増額は一見すると嬉しいニュースのように聞こえますが、年金の増額幅が物価上昇率に追いついておらず、実質的には目減りしていることになります。

今回は2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきたいと思います。

令和シニアの年金生活の実態についてイメージしていきながら、年金額を増やす方法についても言及していきますので、参考にしてみてください。

1. 日本の公的年金制度は「2階建て」

まずは、日本の公的年金の仕組みについておさらいしておきましょう。

【写真全11枚中1枚目】日本の年金制度のしくみ。以降では60歳代~90歳以上まで1歳刻みで年金の平均受給額を紹介

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)

  • 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
  • 保険料は一律
  • 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 公務員やサラリーマンなどが加入する
  • 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
  • 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる

公的年金は賦課方式を採用しており、私たちが支払っている保険料は、現在年金を受給しているシニアを支える財源となっています。

では、令和に生きるシニア世代は毎月いくらほどの年金を受給しているのでしょうか。

次章からは、60歳~90歳以上までのシニアが受給している年金額を一覧表でご紹介していきます。