2. 年金を65歳より前に請求することもできる
国民年金や厚生年金は、原則として65歳から受け取れます。しかし、60歳で定年を迎える方もいるでしょう。
65歳前でも年金を受け取る方法があります。
2.1 年金を65歳前にもらう「繰上げ受給」とは
「繰上げ受給」という制度を利用すると、60歳まで年金を前倒しで受給することができます。
ただし、1ヵ月繰上げるごとに受給額は0.4%減額されます。1年で4.8%、5年で24%も年金額が減る点に注意しましょう。
さらに、一度減額すると元に戻すことはできません。繰上げ受給をするかどうかは、慎重に検討すべきといえます。
2.2 65歳前に受給できる「特別支給の老齢厚生年金」
60~64歳の方は、下記の条件を満たせば「特別支給の老齢厚生年金」を受給できます。
- 男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれた
- 女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれた
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある
- 厚生年金保険等に1年以上加入していた
- 生年月日に応じた受給開始年齢に達している
特別支給の老齢厚生年金には特例が存在し、生年月日によって受給開始の年齢も異なります。
該当すると思われる方は、日本年金機構のホームページや年金事務所等の窓口で詳しい内容を確認してみましょう。
次章にて65歳からの「年金請求」について解説します。
執筆者
日本大学国際関係学部卒業後、東洋証券株式会社に入社。国内外株式、債券、投資信託、保険商品の販売を通じ、主に個人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。特に中国株式、投資信託の提案を得意とし、豊富な金融知識を活かした顧客ニーズに沿う提案が強み。現在は個人向けに資産運用のサポート業務を行う。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有(2024年2月7日更新)。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年5月29日更新)