4. 老後、年金だけで生活している高齢者世帯は何パーセント?

厚生労働省が公表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、老後、年金収入だけで生活している高齢者世帯は全体の44%でした。

約半数以上の高齢者世帯が、年金以外に何かしらの収入を得ていることがわかります。

高齢者世帯の総所得に占める公的年金の割合

高齢者世帯の総所得に占める公的年金の割合

出所:厚生労働省 2022(令和4)年「国民生活基礎調査の概況」

また、総所得のうち公的年金・恩給が占める割合が60%以下の世帯も2割近くいます。

現役世代の人たちは、年金生活者のこうした現状を把握し、老後資金をコツコツと準備しておきましょう。

5. 老後に向けた資産準備を

本記事では、60歳代の貯蓄事情や、シニア世代の年金受給額を確認してきました。冒頭でお話ししたように、老後を迎えるまでに資金準備をしていこうという動きが日本で広がっています。では、老後に向けた資産準備にはどんな手段があるのでしょうか。3つの手段を見ていきましょう。

5.1 貯金で準備する

まずは貯金でコツコツ準備していく方法があります。元本が確実に増えていくため、リスクを取らずに準備ができます。

しかし、今の日本は低金利であるため、積み立てた金額が大きく増えることはありません。リスクを取らず、将来資金が確定するもので準備したい場合には、貯金での準備となります。

5.2 資産運用で準備する

次に、資産運用で準備する方法があります。値動きのある資産を積み立てていくことで、将来的に積み立てた金額よりも大きく増える可能性があります。

しかしながら、元本保証ではないという部分には注意が必要です。運用していくにあたっては、長期で続ける、購入のタイミングを分散するなど、リスクを低減させるためのポイントを押さえることが重要になります。

NISAやiDeCoなど節税効果を持ちながら資産運用できる制度もあるので、効率よく増やしていきたいという方は資産運用も取り入れるといいかもしれません。

5.3 老後も働き続ける

最後の手段としては長く働き続け、老後も給与収入を得るということです。老後も働きたいという方にはぴったりな手段となりますが、ずっと健康でいるということが条件となります。

老後資金の不足がある場合には以上3つの手段でカバーしていくこととなります。老後になってから資金を準備することはできませんので、まずは自身の年金額を確認し、不足しそうな場合には自分の考えに合った手段で準備をしていきましょう。

参考資料

矢武 ひかる