3. 老後の貯蓄だけでなく収入も考えておく
老後の備えとして、「何とか貯金しないと」と思われる方は多いです。
とくにおひとりさまは自分で介護費用や医療費なども備えておく必要があるので、ある程度の目標を立てている方が多いでしょう。
一方で、恒常的な収入についても考えておけると安心です。例えば、女性の平均年金額は国民年金で5万4426円、厚生年金で10万4878円でした。
生涯もらえるというメリットを最大限に活かすには、これらをいかに引き上げるかという視点が重要になります。
今の年収をあげたり、あるいは厚生年金の加入月数をあげる(=長く働く)ことが重要です。繰下げ受給を活用し、できるだけ増額させることもひとつでしょう。
ただし、繰下げ受給により年金を増やせば、その分税金や社会保険料の負担も高まるので注意が必要です。
公的年金以外として、働き続けることで労働収入を得たり、iDeCoや個人年金保険などで自分だけの年金をつくる方も多いです。
ただし、終身での備えは難しく、保険商品で備えるには掛け金が多額になるので注意しましょう。
最後に、資産運用などでお金に働いてもらい、運用益を得るという方法もあります。しかし、運用にはリスクがあるため、老後もハイリスクの投資を続けることはおすすめできません。
若いときに始めておけば、慣れた状態で老後を迎えることもできるでしょう。リスクを下げた運用にシフトし、貯蓄の目減りスピードを緩やかにする、という活用も可能です。
4. まとめにかえて
おひとりさまの年金額や生活費を見ていきました。
どんな老後を迎えたいのかを前向きに考え、モチベーションを維持しながら準備できるのが理想です。
そのためにも、現状をしっかり把握できるよう「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などは年に1度確認できるようにしておきましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集2024年」
太田 彩子