3. 「富裕層の共通点3つ」を金融のプロが解説

ここからは、元金融機関職員の筆者が考える「富裕層の共通点」を3つお届けしたいと思います。

3.1 「知恵と経験」に投資する

本物の富裕層は、自分の見栄のために服や車を買ったりする人は少ないように感じます。

たとえば、プライベートでの趣味ひとつにとっても「未知の体験ができるか」「人とのコミュニケーションが広がるか」など、視野を広く持って活動している人が多い印象です。

趣味に求めることが、ストレスの発散や自分へのご褒美であることに変わりはありません。

しかし、それと同時に「経験から学びはあるかどうか」や「ビジネスに活かせる知恵がつくかどうか」を重要視しているように思います。

「知恵と経験」に投資する姿勢は、富裕層でなくても見習っていきたいマインドです。

3.2 必要以上の贅沢はせず「価値ある投資」をする

ウォーレン・バフェットという、世界有数の資産家がいます。

富裕層といえば高級レストランで食事をしたり、タワーマンションに住んだりと、いわゆる贅沢な暮らしを連想する人もいるかもしれません。

しかし、世界的な資産家であるウォーレン・バフェットには「食事はファストフードを活用し、割引クーポンを使う」「60年以上前に購入した家で質素に暮らしている」などの逸話があります。

筆者が接してきた富裕層の人々も、普段の生活は意外と質素な方が多く、富裕層ほどお金の使い方にメリハリがある印象を受けます。

どれだけお金があっても「無駄遣いしない」「自分が価値を理解しているものに投資する」という姿勢は私たちも真似できるところがあるかもしれませんね。

3.3 「信頼できる金融機関」をつくる

先述の調査によると、日本の富裕層は事業オーナー(=起業家)であることが多く、金融資産1~5億円の富裕層では、その約3分の1が事業オーナーであることが明らかになっています。

現役起業家が信頼できる・頼りになると感じた相談先

現役起業家が信頼できる・頼りになると感じた相談先

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」

現役起業家は金融機関をはじめとした多くの専門機関への相談経験があり、なかでも金融機関を信頼している人の割合が多く見られました。

金融機関などの専門性の高い企業からの情報発信や接触の機会は、事業立ち上げなどの人生の転機に大きな役割を果たしているといえそうです。

投資初心者の方には「資産形成を始めたくても、何から始めたらよいかわからない」という方もいるでしょう。

そういった方は、富裕層のようにまずは「信頼できる金融機関」や「お金の相談ができる人」を探すことから始めてみるのもよいでしょう。

筆者の経験上、お金持ちほどマメな人が多いです。お金にまつわる情報収集は、インターネットだけでなく金融機関の窓口などでも話を聞くことができます。

最新の情報や、トレンドを知ってから資産運用を始めてみてもいいかもしれませんね。

4. 将来に向けて今から取り組むべきこと3選

「富裕層の共通点」を見てきましたが、次は私たちが「将来に向けて今から取り組むべきこと」の3つを確認していきましょう。

4.1 相談できる窓口をつくる

将来の不安やお金の悩みを自己解決するのは容易ではありません。老後の生活費だけではなく、子供の教育資金や住宅資金などいくつか課題はあるかもしれません。その際にどういった方法で対策していくか「お金のプロ」に相談することは効果的です。

最近では、証券会社や保険会社だけではなく、証券や保険の資格をどちらも有しているIFAやFPへ相談する方が増えてきています。

4.2 ライフデザインを描く

ライフデザインとは「人生設計」を指します。「将来どのような人生を送りたいか」といったように、自身の価値観を元に計画を立てることです。

ライフデザインを確立するといつ、どれくらいのお金が必要か把握することができます。目標が定まるため、効率の良い準備ができるでしょう。ライフデザインについては各金融機関や先に述べたIFAやFPに相談すると作成することができます。

4.3 資産形成を活用

近年「資産形成」への関心は高くなっています。「NISA」や「iDeCo」など耳にしたことがある人も多いでしょう。資産形成を始めるにあたってまずは「積立投資」からスタートするのもいいでしょう。

積立投資は少額からコツコツできるため、株式投資や債券投資と比較するとハードルは低い部類です。ただ積立投資といってもNISAやiDeCo、個人年金、貯蓄性保険商品など手段は様々あり、特徴も異なります。

ライフスタイルや価値観によってその優先順位は変化します。自身にとって効率の良い方法で積立投資を始めてもいいのではないでしょうか。

5. まとめ

今回は純金融資産1億円以上の富裕層の割合や、彼らに共通する価値観について見てきました。結果を見てみると、富裕層が存在する一方で、純金融資産3000万円未満の「マス層」が大半を占めている結果となっています。

「富裕層」のように、今すぐに大きな資産を築くことは難しいことも事実です。しかし、お金のメリハリをしっかりつけている「富裕層」から参考にできることもあります。

まずは自身がどのような人生を歩みたいか、そして実現するために信頼できる「お金のプロ」と相談しながら取るべき手段を実践していきましょう。

周りの知人が始めたから、おすすめされたからではなく、「自身にとって必要なこと」を選択していくことが何より大切です。

参考資料

LIMO編集部