2024年度の公的年金は、前年度から2.7%増額改定となりました。
なお、次回の年金支給日となる6月14日(金)には4月分と5月分が支給されるため、増額改定の初回支給日としてこの日を心待ちにしている方もいるかもしれません。
厚生労働省は、年金額の改定にあたり67歳以下新規裁定者の年金額例として、国民年金(満額)で+月額1750円、厚生年金は標準夫婦世帯2人分で+月額6001円と公表しています。
さて、厚生年金は現役時代の年金加入期間や年収によって決定するものですが、ここで想定する「標準夫婦」とはどういう世帯を指すのでしょうか。
本記事では、2024年度の増額改定された国民年金の満額支給額と、厚生年金のモデル年金額を確認していきます。
また、すでに年金を受給しているシニア世代の「国民年金・厚生年金」の平均月額も一覧表でチェックしていきましょう。
1. 2024年度の「国民年金・厚生年金」は2.7%増額改定!年金額例を見る
冒頭で申し上げたとおり、2024年度の公的年金は前年度から2.7%増額となりました。
以下、年金額の例(1956年4月2日以後生まれの方の場合)を見ていきましょう。
1.1 国民年金(満額):月額6万8000円(+1750円)
2024年度、国民年金の満額受給額は月額6万8000円です。前年度の6万6250円から1750円の増額となります。
国民年金を満額受給するためには、20歳以上60歳未満の国民年金加入義務期間中、保険料を全て納める必要があります。未納や免除がある場合には、満額から減額される仕組みです。
なお、令和6年度の1956年4月1日以前生まれの方の国民年金(老齢基礎年金)の満額は、月額6万7808円です。
1.2 厚生年金:夫婦2人分として月額23万483円(+6001円)
2024年度、厚生年金の標準夫婦2人分の年金額は月額23万483円です。前年度の22万4482円から6001円の増額となります。
標準夫婦とは、5年に1度行われる年金の財政検証で用いる「ものさし」としているもので、あくまでもモデルケースとなる点にご留意ください。
では、標準夫婦とはどういう「夫」と「妻」をさすのでしょうか。
厚生労働省が公表している年金額例では、厚生年金に1度も加入したことがない専業主婦の妻と、40年間平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000万円で就業した元会社員の夫を想定しています。
夫婦2人分の年金額23万483円を分解すると、
- 妻:6万8000円
- 夫:6万8000円+9万4483円=16万2483円
となります。標準夫婦と近しい夫婦世帯は、上記の年金額を参考にすると良いでしょう。
専業主婦の妻・会社員の夫という構図は、現代では”標準”と捉えづらくなっているため、今後は見直される可能性もあるかもしれません。
ここまで、2024年度の年金額例を確認してきましたが、実際にいまのシニア世代は月額どれくらいの年金収入で生活しているのでしょうか。
次章から国民年金と厚生年金に分けて、平均月額を見ていきます。