2. 役職定年を廃止した企業
実際に役職定年を廃止した主な企業は、以下の通りです。
- 大和ハウス工業株式会社:2022年4月1日に一律廃止
- 山口フィナンシャルグループ:2025年3期に役職定年制度の一律見直し予定
- ダイキン工業株式会社:56歳としていた役職定年の廃止
- NEC:2021年度に管理職の役職定年を廃止
では、役職定年の廃止や見直しをする背景について確認しましょう。
2.1 役職定年の見直しをする背景
役職定年を廃止する背景としては、40歳代から50歳代のいわゆる「シニア層」のモチベーション向上が狙いです。
役職定年制度によって役職を退くと、その後の収入に影響が生じます。
収入の低下が、シニア層の働く意欲を下げる要因となっていました。
そのため、役職定年を廃止する傾向となっています。
では、実際に役職ごとの賃金がいくらなのか、確認してみましょう。
3. 役職別にみた賃金はいくら?
厚生労働省は、2024年3月27日に「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」を公表しました。
役職別にみた賃金がいくらとなっているか、それぞれ確認しましょう。
3.1 係長職
係長職の賃金は、37万800円でした。
一般職の賃金と比較すると、1.27倍の結果となっています。
係長職となっている人の年齢は45.4歳で、勤続年数は17.6年でした。
3.2 課長職
課長職の賃金は、49万800円でした。
一般職の賃金と比較すると、1.68倍の結果となっています。
課長職となっている人の年齢は49.2歳で、勤続年数は20.9年でした。
3.3 部長職
部長職の賃金は、59万6000円でした。
一般職の賃金と比較すると、2.04倍の結果となっています。
部長職となっている人の年齢は52.8歳で、勤続年数は22.5年でした。
また男女別に比較すると、女性に比べて、男性の賃金が高い結果となりました。
では、もし定年退職となった場合、役職を退く前後で収入がどれほど変わるのか確認しましょう。