3. パート?正社員?老齢年金の金額はどれほど変わるのか
政府の試算によると、出産後の働き方によって世帯の年金所得(生涯可処分所得)は以下のとおり変わるとしています。
- 再就職しない:7600万円
- 年収の壁の範囲内で100万円を稼ぐ:7700万円
- 年収の壁を超えて150万円を稼ぐ:8400万円
- 正社員として働く:9300万円
なお、出産で離職しなかった場合は正社員で9900万円、非正規フルタイムで9000万円です。
厚生労働省が5月に公表した「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」という資料では、複数パターンでモデル年金目安額(月額)が紹介されています。
こちらによると、夫婦の働き方及び報酬ごとのモデル年金は以下のとおりです。
- 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
- 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円
- 夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円
- 夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円
- 夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円
- 夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円
- 妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円
- 妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円
- 妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円
- 夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円
- 夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
- 夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
- 夫が報酬32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
- 妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
- 妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
- 妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円
扶養内におさめれば国民年金のみとなるので、夫婦で月額20万円を超えるのは配偶者の給与次第となります。
生涯所得だけではイメージがつきにくいものの、月額でみるとその差を意識しやすいかもしれません。