5. 自分自身でも退職金の準備を
今回退職金のリアルな数字を確認してみていかがでしたか?退職の理由や勤続年数によって、退職金は大きく変わってきます。
大切なのは、このデータは今までの参考情報でしかないという点です。今後の日本の人口減少や円安のリスク、物価の高騰によっては、将来もらうことができる退職金が減少してしまうリスクもあります。
今の時代、国家公務員だからといっても退職金にあぐらをかくことは危険です。会社の制度や国の制度に頼るのではなく、自分自身でしっかりと退職金を作り出していくことが必要な時代になってきました。
NISAやiDeCoを活用することも一つの方法です。また民間の保険商品である個人年金保険を年金として月々受給するのではなく、65歳から一括で受け取り、それを退職金の補填とする方もいます。
公的制度や企業の制度に甘えてしまうことにも一定のリスクがあることを押さえ、しっかりと自分自身で将来のお金を準備していきましょう。
6. まとめにかえて
定年時における「退職金」について、「国家公務員」と「民間企業」の実態をまとめていきました、
国家公務員の場合、平均だけでなくボリュームゾーンも確認しましたが、多くのケースで2000万円に届いているようですね。
勤続年数ごとに「1000万円」を超える目安もわかりました。
一方で、会社員は個人差が非常に大きくなります。大企業であれば、国家公務員に近い(あるいは上回る)退職金がもらえる可能性があります。
比較的転職しやすい時代になりましたが、勤務年数は退職金にも影響しうる点に注意しましょう。
安定を求めるのであれば、制度に頼り切るのではなく、自助努力も必要になるため、着実に準備しておきましょう。
参考資料
杉田 有毅
執筆者
明治学院大学卒業後、大手自動車部品メーカーを経て、2017年にプルデンシャル生命保険株式会社に入社。一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。2019年には最年少営業管理職として採用や部下の育成に尽力し、社内研修ではパネラーに選抜される。6年間、個人・法人営業に携わり卓越した営業成績を残す。表彰歴多数 。現在は個人向け資産運用のサポート業務に従事し、漠然としたお金の相談に対して道を指し示すことを強みとしている。特に「教育資金が終わり、自分の老後を考えていく50歳代の世代」が得意で、バランスの良い資産形成や負けない運用を心がけている。プライベートでは猫が大好き。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)