3. 【老後】おひとりさまの月の生活費はいくらか
老後の収入である年金額を確認してきましたが、最後に生活費を確認しましょう。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」を参考に、老後のひとり暮らしの生活費を確認します。
月の収入
収入:12万6905円(うち社会保障給付11万8230円)
月の支出
- 消費支出:14万5430円
- うち食料:4万103円
- うち住居:1万2564円
- うち光熱・水道:1万4436円
- うち交通・通信:1万5086円
- うち保健医療:7981円
- 非消費支出:1万2243円など
支出合計15万7673円
月の収支:▲3万768円
生活費をみると食費は約4万円。
光熱・水道や住居、交通・通信といった固定費は約4万2000円となっています。
かかる固定費として特に意識したいのは住居費と交通費であり、車を保有していれば自動車税や自動車保険、ガソリン代、車検代、買い替え費用などがかかる点です。
老後を迎えてから引っ越しをするのは大変なので、現役時代から老後の生活費、特に固定費については考えておきたいですね。
4. ねんきんネットやねんきん定期便を確認しながら老後対策を
おひとりさまの厚生年金月額のモデルを確認しましたが、今回の金額は令和6年度の水準です。
年金額は毎年度改定され、2024年度は2.7%の増額となりましたが、マクロ経済スライドの調整があり物価高ほど高くなっていません。
公的年金のみでは生活費が足りない場合や、今年度のように物価高となった場合、またほかに旅行や趣味、家電などの買い替え、病気や介護が必要になった場合には、まとまった貯蓄が必要でしょう。
現代はiDeCoや個人年金保険といった私的年金や、新NISAもはじまり資産運用をはじめやすくなっています。
自身に合った老後対策を考えるためにも、ねんきんネットやねんきん定期便を確認しながら、資産形成の情報収集をしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省年金局「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点 ②」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
宮野 茉莉子