2018年5月14日に行われた、日本瓦斯株式会社2018年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:日本瓦斯株式会社 代表取締役社長 和田眞治 氏
日本瓦斯株式会社 執行役員 清田慎一 氏

1. 決算のポイント

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清田慎一氏:それでは、始めさせていただきます。では、お手元の資料か(前方の)スクリーンをご覧いただきますようお願いします。

では、資料の2ページ目ご覧ください。最初に、決算のポイントを申し上げたいと思います。今回は、計画を上回る利益の決算となったこと。もう1つは、コーポレートガバナンスを大きく主体的に進めたことになります。利益では、営業利益(は計画)を2億円上回っております。純利益は、計画を8億円上回る内容です。営業利益は、その他営業外と特別損益で利益を持ち上げて、78億円となりました。

お客さまの件数は、我々にとって大事なKPIになります。とくに、今期一番大きな目標と掲げておりました、新都市ガス(の計画の)11万件に対しても、申し込みベースで11万件の目標に到達いたしました。

また、コーポレートガバナンスに関して、私どもで今年(金融機関との)持合株式の縮減に、大きく力を入れて進めました。220万株を縮減し、うち140万株は、アライアンスパートナーであります、東電EPさまに(取得されている分で)残りの74万株は、市場で売却を完了しておりまして、すでに流動性の改善に、一定の結果を出したと考えております。それでは、1ページお進みください。

2. 決算の実績/サマリー(17/4-18/3の12ヶ月間)

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まずは、下の業容からご覧ください。この1年間で、お客さま件数が約13万8,000件増加しております。お客さまの件数は、今135万件に近いところまできております。

ガス販売量は、全体では(前期比)3万4,000トンのプラスです。今回は、LPガスがプラス、新都市ガスが大きくプラス、旧都市ガスが少しのマイナスとなっております。

それでは、(PLの)粗利益をご覧ください。粗利益は、前年比で9億円のプラスです。これは、ほぼ新都市ガスの粗利益がプラスになった分と、ご認識いただければと思います。

販管費は、24億円積み増しました。販管費の主なものとしましては、広告宣伝費と顧客獲得費用です。

営業利益は、結果として107億円。(繰り返しますが)粗利益で9億円の増加、販管費で24億円積み増しまして、営業利益が15億円のマイナス。

(営業利益の)内訳といたしましては、LPガスが前年比で2億円のマイナス、旧都市ガスが6億円のプラス、新都市ガスが19億円のマイナスとなりました。この新都市ガスに関しては、セグメントの計画利益を大きく上回る結果となっております。

2. 決算の実績/LPガス事業

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それでは、4ページ目のLPガス事業をご覧ください。

LPガスは、今はお客さまが約83万件にまで拡大しております。ガス販売量は33万トン、前年比で1万5,000トン(のプラス)。大きな寒さもフォローとなって、大きな販売量の増加となりました。

粗利益をご覧いただきますと、前年比2億円(のマイナス)。これは、期末の原料高が影響したものです。

販管費は、前年比同額で293億円。内訳としましては、顧客獲得費用が、前年比よりも8億円増加しております。ただ、ペースといたしましては、第1四半期以降ほぼフラットもしくは減少で、我々で規律をもった資本投資を行っております。その結果、営業利益は80億円で、前年比2億円の微減となっております。1ページお進みください。

2. 決算の実績/旧都市ガス事業

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5ページ目は、旧都市ガスです。我々が「旧都市ガス」と呼びますのは、従前より都市ガスを行っていたエリアにおける約40万件の顧客に対して、栃木・埼玉・千葉・茨城で行っているビジネスのことです。お客さまの数は、41万2,000件です。

ガス販売量をご覧いただきますと、前年比では2,000トンの減となっております。家庭用は9,000トン(のプラス)ということで、お客さまの増加と寒さに伴って、たいへんな量の増加をいたしましたが、業務用では1万1,100トンのマイナス(となりました)。

中盤の競争は、業務用も引き続きシビアになってきております。(粗利益は、家庭用ガス販売量の増加が)スライドタイムラグ(の逆風を吸収して増益となっています)。前期比で見ますと、今回はほぼ2億円の向かい風ということになりましたが、とくに家庭用(ガスの販売)の量が伸びましたので、それを吸収しまして、粗利益では3億円の増益。

販管費では、主に償却費が減少しまして、3億円の減。結果として、営業利益で6億円の増益となっております。

2. 決算の実績/新都市ガス事業

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1ページお進みいただいて、6ページ目の新都市ガス事業をご覧ください。「新都市ガス」と我々が呼びますのは、自由化後に我々がガスの販売が可能になったエリアでの、ガスの販売……端的には、東京ガスさんのエリアでの実績とご理解いただいてよろしいかと思います。

まず、業容です。お客さまの純増数は、実際の供給が開始になったのは、ほぼ10万件です。申込みでは11万1,000件を頂戴しておりまして、ガスの販売量では2万1,000トンと、計画を上回ることになりました。

これは、想定した(家庭向けの)世帯当たりのガス販売量よりも、お客さまがガスを使ってくださったことなど(に加えて)業務用の販売も非常に堅調だったことが、原因となっております。

こういったこともありまして、粗利益は計画通りで8億円を計上できました。販管費は、期初に34億円を使うと計画したのですが、27億円に収めることができました。その(要因の)大きなところとしましては、とくに広告宣伝費を、予算の中で使い切ることができました。広告宣伝費の主な使用用途としては、ご覧いただいた方もいらっしゃるかと思いますけども、テレビコマーシャルを中心としたものです。

これを、日本瓦斯は認知度調査のかたちで費用対効果を測定しておりますが、調査前はほとんどないに近かった日本瓦斯の認知度が、今は50パーセント近辺のところまで上がってきております。それでは、1ページお進みください。

3. 3ヶ年計画の進捗:セグメント別営業利益計画

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このページでは、日本瓦斯が今みなさまにお示ししている3ヶ年計画の進捗と、見直した後の今年・来年の3ヶ年計画をご覧いただきたいと思います。

まずは、左から2つ目の赤の破線で囲っておりますところが、今期の実績です。結論としては、営業利益の105億円というターゲットに対して、2億円の増加となりました。それを踏まえまして、今年・来年と見直しをいたしましたが、日本瓦斯が(総額の営業利益で)今期134億円、来期156億円達成するという計画に、変わりはございません。

3. 3ヶ年計画の進捗:18/3期のセグメント実績

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8ページをご覧ください。終わった期(2018年3月期)の、セグメントごとの比較でございます。LPガスが、5億円のビハインド。旧都市ガスは、計画通り。新都市ガスは、計画よりも7億円よかったという結果で、合計して2億円、計画を(上回った)結果となっております。1ページお進みください。

3. 3ヶ年計画の進捗:お客様獲得の進捗

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顧客数に関しましては、赤の破線で囲っておりますところが、終わった期(2018年3月期)の実績でございます。LPガスに(ついて、計画に)対しては、8,000件のマイナス。旧都市ガスに(ついて、計画に)対しては3,000件のマイナス。これは、十分に自由化の競争が始まった結果として、日本瓦斯ではポジティブに捉えています。

新都市ガスは(先ほど)申し上げたとおりで、総お客さま数が133万8,000件。来年の末(2019年3月期)にはお客さまをほぼ160万件に増やして、2020年3月期には185万件に増加させていく計画でございます。

3. 3ヶ年計画の進捗:参考/セグメント別収支計画

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10ページをご覧いただいて、そのピッチをみなさまに、もう一度ご確認をいただいきたいと思います。

セグメントごとのブレイクダウンになっていまして、上からLPガス・旧都市ガス・新都市ガスです。

(お客さま純増数について)LPガスでは、今期は4万5,000件、来期は5万件。旧都市ガスでは1万件ずつの純増で、新都市ガスでは今年で20万件、来年で20万件を新たにお客さまに加えます。新都市ガスにおいては、2020年3月期にストックで50万件のお客さまにするという計画でございます。それでは、1ページお進みください。

4. 株主様への還元

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配当をご覧いただいきたいと思います。2019年3月期今期の予想ですが、日本瓦斯は4円増配を継続をいたします。日本瓦斯は今、まさにこれから成長する投資のステージの入り口に立ったところであります。ただし、日本瓦斯の現在の財務内容とキャッシュ・フローのポジションを考えましたときに、増配を継続しながら、成長資金への投資を振り向けていくことが十分に可能と考えまして、今回4円の増配を継続させていただいております。

5. 海外事業

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12ページをご覧ください。海外事業です。海外事業は、3ヶ月遅れて取り込むかたちになっています。

2017年12月期は、2期連続の黒字となりました。左下のグラフをご覧いただきますと、(棒グラフの)紫のところが純利益、青いところがEBITDAです。EBITDAベースでは3期連続、紫の純利益ベースでは2期連続の黒字となりました。2011年にスタートして以来、今の日本瓦斯にとって、利益に寄与するセグメントに成長してきております。

6. コーポレート・ガバナンス

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次にお進みください。コーポレート・ガバナンスの取り組みをお伝えいたします。株の売却に関しては、申し上げたとおりです。社外取締役・社外監査役に関しましては、お一方……弁護士の方でいらっしゃいます五味祐子さんに、社外監査役として日本瓦斯にご参加いただく予定となっております。

7. 財務ハイライト/B/S

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続いては、1ページお飛ばしいただきまして、15ページをご覧いただけますでしょうか。日本瓦斯のバランスシートをご覧いただきたいと思います。

まず棒グラフは、赤いところが現預金、薄い水色のところが現預金除きの総資産、紫が純資産。黄色の折れ線グラフが、当期純利益です。

みなさまにまずご確認いただきたいことは、過去7年間の日本瓦斯の、現預金除きの総資産の推移です。(2012年3月期の)1,040億円(から、2018年3月期の)1,060億円で、ほぼ変わっておりません。

一方で、黄色の折れ線グラフが示します純利益は、(2012年3月期の約)30億円から(2018年3月期の約)80億円。(2012年3月期の)1,040億円の総資産を使って30億円の利益を出すのが、今(2018年3月期は)1,060億円の資産で約80億円近いところの純利益を出すところまで、成長をしてきております。それをお示ししておりますのが(スライド下部の表の)ROAでして、(2012年3月期の)2.6パーセントから(2018年3月期は)5.7パーセントに、資産の効率が改善してきております。

一方で、紫色の棒グラフでお示しをします、純資産です。今期終わった期(2018年3月期)で、日本瓦斯の純資産が720億円まできております。今の日本瓦斯のビジネスの取り組みを考えますと、一定程度十分な水準にまできていると認識しております。

日本瓦斯は、先ほど申し上げましたように、これからが本格的な投資のステージになってまいります。この純資産をもって、これからの積極的な事業の拡大に、このバランスシートを使ってまいりたいと思います。

7. 財務ハイライト/Cash Flow

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16ページをご覧ください。キャッシュフローです。上でお示ししております折れ線グラフが、フリーキャッシュフローです。終わった期のフリーキャッシュフローは、85億円です。営業キャッシュフローが156億円、投資キャッシュフローが71億円、財務キャッシュフローが85億円のマイナスでございます。

みなさまにご覧いただきたいのは、とくに設備投資の内訳でございます。下のボックスでご覧いただきます、「パイプライン」というところなんですが、2013年3月期は67億円でした。(それが)2018年3月期は45億円です。従来からみなさまにお伝えしているようなイメージで、パイプラインの投資は減少してきております。ICT投資は、今期は約10億円となりましたけれども、引き続き日本瓦斯のもっとも重要な投資となっております。

投資キャッシュフロー(について)、右側の「CF前期比較」をご覧いただきます。投資キャッシュフローでは、前期と比べますと36億円改善をしているんですが、このパイプラインの投資が減ったことに併せて、持合株売却をしてもらったことと、弊社が持っております銀行さまの株式の売却も、行わせていただきました。また、土地を2ヶ所売却しました。不稼働資産をキャッシュに変えて、さらに効率の良い資産に投資を行ってまいります。

私からは、以上になります。続きまして、和田から挨拶を申し上げます。

今後の抱負

和田眞治氏:代表取締役社長の和田でございます。本日は、本当にたくさんの方々にご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。できるだけご質問にお答えするかたちで、時間を費やしたいと思っております。

定量的な領域の数値に関しましては、清田からご説明があった以上でも以下でもございませんので、重ねて私から申し上げることはございません。のちほどのQ&Aの中で具体的に、どのあたりに(対して)どうような選択で動くのかというようなところは、ご説明をさせていただきたいと思っております。

電力の自由化に1年遅れるかたちで、ガスの自由化がスタートいたしました。ご案内のとおり、非常に参入障壁が高い状況でガス(の自由化)がスタートいたしましたので、結果として当社の仲間……弊社と東京電力さんぐらいが、この関東で一番信用価値の高い領域での、実質的な新規参入社ということになってございます。

そういうものに対して、投資家の方々からも「LPGでこれだけの効率性と利益率を創出しているんだから、そちらのほうに力を注いだらどうだ」ということを言われました。

また、そういう今までのビジネスモデルを変えないのであれば、6期連続過去最高益の更新というところも、10期ぐらいまではいけたのかもしれません。新しい領域に、この20年あるいは20数年、東京電力さんと協議をしながら準備を進めてきた新しい自由化に向かって、私たちが入り口を開いたということだけでも、私としましても、非常に大きなことでございました。

そこに向けて、スタートして1年目ですので、いろんなイレギュラーなことがありながらも、最終的には想定内で収まったと。最後に、原料高の対応が少し遅れたということがありました。もう少し上振れするのかと想定しておりましたけれども、そこは叶いませんでしたが、相対的には想定内でほぼ終わりました。

それに加えて、東京電力さんと新しいプラットフォーム事業を、いよいよスタートさせることができました。引き続き(2018年)3月には、東京電力さんの3.11以降初の他社に対する大型の出資をお受けすることができ、今回さらに東京電力さんから電力小売領域の知見を有した取締役を派遣していただき、これから日本瓦斯独自の……これまでは東京電力さんの販売代理1本で、電力はセットアップしてきましたけれども。東京電力さん自身でもできない新たな電力事業も下期からはスタートをさせながら、バックヤードのオペレーションシステムをクラウド化しながら、電力とガスの本格的なセットアップをスタートをさせたいと思っております。

もとより、東京電力さんと私どもの連携は、これが最後ではありません。私たちは、まだまださまざまな制約の中でスタートをいたしましたので、これが入り口ということで、私たちと東京電力さんの関係は、これからさらに進化をしていくということでございます。

それから、プラットフォーム事業の中で、いろんな連携が同業社(とございますが)、こういうものに対しても、投資家の方々からお声をいただいておりまして。「あえてあなたたちのインセンティブオペレーションシステムを提供して、なぜライバルを増やすんだ」という話が、必ず出てまいります。

私たちは、もう自前主義ですべてを賄うという考え方……そうではなくて、プラットフォームを、オープンイノベーションを精緻にして、さまざまな人たち、それとエネルギー事業者だけで、今までコンサバティブに運営されてきたエネルギー事業者同士だけの議論で、これから複雑化する地域社会・構成に価値が見い出せるかというところは、限界がある。

こういうことで、私たちは異業種との連携を、日本瓦斯の担当にも(負ってもらい)、それから同業社との連携を、東京電力さんに主立って役割を負っていただいて。

今プラットフォーム上で、さまざまな人たちの知見を活かしながら、新しいイノベーションを創出する。多様化し、複雑化し、変化をしている地域社会。あるいは地域社会エリアにおいても、私たちは今回のコマーシャルとかいろんな現況調査で、相当私たちの想像以上に、地域社会の構成が変わってきている。クラスタの構成が変わってきているところを、理解いたしました。

これに向けて我々が少しずつ、東京電力さんとタイアップをしながら、ストレスを解消するような新しい価値を生み出すと。とくに投資家の方々から非常に注目されている、無駄なコストのところですね。こういうところに異業種と連携をしながら、新しい挑戦をさらに繰り返してまいりたいと思っております。

限られた時間の中で、今日は本当に多くのアナリストの方にお出でいただいておりますので、ぜひ私の話はこれくらいにいたしまして、あとはQ&Aでお答えをさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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