4. 【年金】60歳代「国民年金・厚生年金」平均受給月額はいくら?
年金額は毎年改定されます。厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額モデルは以下のとおりです。
4.1 2024年度:年金額モデル(国民年金・厚生年金)月額
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
ちなみに厚生年金はモデル夫婦となっており、1人分にすると16万2483円です。
厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに作成した年齢別「年金受給額一覧表」から、60歳代が2022年度末時点で実際に受給している年金の平均額を確認していきましょう。
4.2 60歳代:厚生年金の受給額一覧
- 60歳:9万4853円
- 61歳:9万1675円
- 62歳:6万1942円
- 63歳:6万4514円
- 64歳:7万9536円
- 65歳:14万3504円
- 66歳:14万6891円
- 67歳:14万5757円
- 68歳:14万3898円
- 69歳:14万1881円
※国民年金を含む
60歳代の平均の受給額が、月額14~16万円台でした。
ただし、厚生年金は現役時代の働き方や加入期間による個人差が大きいとされているもの。詳しくは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみてください。
では、国民年金の受給月額はどうでしょうか。
4.3 60歳代:国民年金の受給額一覧
- 60歳:4万2616円
- 61歳:4万1420円
- 62歳:4万3513円
- 63歳:4万3711円
- 64歳:4万4352円
- 65歳:5万8070円
- 66歳:5万8012円
- 67歳:5万7924円
- 68歳:5万7722円
- 69歳:5万7515円
65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者となっているため受給額は低い傾向にあります。
65歳以降でみると、平均で月5万円台。厚生年金ほどには年齢差がないようです。
また、物価高のような社会情勢の変化だけでなく、突然の入院や介護の必要が出てくるなど、人生において何が起こるかは予測不可能です。
老後の収入の柱とされる年金以外の収入源を確保したり、老後に向けて長期的な資産形成を検討したりすることはますます重要となるでしょう。
5. シニアの入口といえる50歳代、年金に頼りすぎないマネープランを
働くシニアが増えてきてはいますが、50歳代は定年が見えてくる時期といえるでしょう。
しかし、計画なしで現役時代の生活を続けていては、近づいてくる老後に備えられないかもしれません。
一旦65歳を定年退職と考えると、50歳代から老後の生活までは約10年程度あります。
この期間内にどのくらい老後に向けて準備できたかにより、セカンドライフの暮らしぶりは大きく変わることでしょう。
そして着実に貯蓄することは重要ですが、同時に資産を増やす「運用」も検討していきたいところ。資産運用にはさまざまな方法があり元本割れなどのリスクも伴いますが、長期的に運用することでリスクの分散が可能です。
まずは、年金に頼りすぎない老後のマネープランを練ってみることからスタートしてみてください。
参考資料
- 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年調査結果」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
荒井 麻友子