3. 《シミュレーション》在職老齢年金はいくらになる?

働きながら厚生年金を受給すると、どのくらい支給停止になるのか、具体例を用いてシミュレーションしてみましょう。

【シミュレーション条件】

  • 基本月額:24万円
  • 給与:30万円
  • 賞与:120万円(直近1年分)

このケースでは、毎月の給与のほかに賞与が払われていることから、総報酬月額相当額は、給与30万円に賞与の月額相当分10万円(120万円×1/12)を足した40万円となります。

支給停止後の厚生年金受給額は、前出の計算式に当てはめると、17万円と計算できます。

計算)
支給停止後の厚生年金受給額=基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2
=24万円-(24万円+40万円-50万円)÷2
=17万円

したがって、基本月額が17万円で給与が30万円なので、このケースの1ヵ月の収入は47万円となります。

4. まとめにかえて

60歳以降に厚生年金を受給しながら働き、年金額と1ヵ月の賃金の合計額が50万円を超えると、在職老齢年金の支給停止の対象になります。

近年、65歳以降に働く方は年々増加しており、今後もその傾向が続くと考えられます。働いて得た収入を減額されたくない場合は、支給停止金額を考慮して、働き方を検討すると良いでしょう。

参考資料

木内 菜穂子