2024年5月31日、株式会社博報堂が「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」の結果レポートを公表。
調査結果から、共働き世帯の増加などに起因した新たな富裕層の出現に着目し、世帯年収1500万円以上の生活者を「インカムリッチ」と名付けられていました。
みなさんは「富裕層」と聞いてどんな人たちを想像しますか。
富裕層について明確な定義は決まっていませんが、ある統計では「純金融資産の合計額が1億円以上」保有していることが一つの指標になっているようです。
1億円以上の資産を保有しているときくと、ハイブランドの洋服を身にまとい日々豪華な食事をする……いわゆる“派手な暮らしをしている人”とイメージされる傾向があるかもしれません。
やはり、収入が上がると生活レベルも上がるというのは一般常識ではありますが、本当に「富裕層」の方々はそのような生活をしているのでしょうか。
今回は、日本における「富裕層」の割合から読み取れる傾向と、元銀行員の筆者が接してきた「ホンモノのお金持ち」に見られる共通点について解説していきます。
1. 【富裕層】「純金融資産1億円以上」の資産家は日本に何パーセント?
調査時点での日本には、純金融資産1億円以上の富裕層が148万5000世帯存在しています。
これは割合にして、全体のわずか2%にすぎません。
1.1 階層別:純金融資産保有額別にみた世帯数
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円
富裕層をさらに細かく分類すると、資産1億円以上5億円未満が約2.6%(139万5000世帯)、5億円以上が約0.2%(9万世帯)を占めています。
2005年以来、62万世帯もの人々がこの富裕層に新たに加わっているようです。
日本で富裕層が増えていく背景には、何があるのでしょうか。次の章で詳しく見ていきましょう。