年収1000万円以上の世帯に対して、「経済的に安定している」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
確かに、収入が多い分、貯蓄や投資に回す余裕がある世帯は多いのかもしれません。
しかし、高収入であるほど負債も多い傾向にあり、貯蓄とのバランスがとれていない世帯があるのも事実です。
今回は、年収1000万円以上世帯の貯蓄事情や、負債の状況について見ていきます。
収入の大小を問わず、資金管理の重要性について考えてみましょう。
1. 年収1000万円以上世帯の金融資産保有額
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」を基に、年収1000万円以上世帯の貯蓄状況を見てみます。
1.1 年収1000~1200万円未満世帯における貯蓄金額ごとの割合
- 金融資産非保有:11.5%
- 100万円未満:3.2%
- 100~200万円未満:4.4%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:2.8%
- 400~500万円未満:3.2%
- 500~700万円未満:4.8%
- 700~1000万円未満:7.1%
- 1000~1500万円未満:12.3%
- 1500~2000万円未満:6.7%
- 2000~3000万円未満:13.1%
- 3000万円以上:26.2%
- 平均値:2400万円
- 中央値:1280万円
1.2 年収1200万円以上世帯における貯蓄金額ごとの割合
- 金融資産非保有:9.7%
- 100万円未満:3.5%
- 100~200万円未満:5.0%
- 200~300万円未満:4.1%
- 300~400万円未満:2.5%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:3.1%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:11.9%
- 1500~2000万円未満:6.3%
- 2000~3000万円未満:6.3%
- 3000万円以上:36.8%
- 平均値:3892万円
- 中央値:1500万円
年収1000万円以上の高収入世帯では、低所得世帯に比べて高い貯蓄率を持つ傾向があります。
当然、家計収支の状況は世帯によって異なりますが、収入が多い分、生活費や娯楽費を差し引いた後にも資金が残り、これを貯蓄や投資に回すことが可能となっています。