3. 6月からもらえる「国民年金・厚生年金」のモデル年金額の手取りはいくらか
前章で確認したモデル年金額より、税金と社会保険料が天引きされた後の手取りはいくらになるのかを以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
【シミュレーション条件】
- 東京都在住の独身70歳
- 65歳から年金受給を開始していて、収入は年金のみ。
- 基礎控除と社会保険料控除のみを適用(生命保険料控除や地震保険控除などはなし)
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
3.1 国民年金月額6万8000円の手取りはいくらか
- 額面:年81万6000円
- 所得税:年0円
- 住民税:年0円
- 国民健康保険料:年2万円
- 介護保険料:年2万6000円
- 手取り:年77万1000円(月6万4000円)
81万6000円ー2万円(国民健康保険料)ー2万6000円(介護保険料)
*各数値計算時の端数処理の関係で計算結果が一部一致していません
3.2 厚生年金月額23万円の手取りはいくらか
- 額面:年276万円
- 所得税:年4万4000円
(276万円ー110万円(公的年金所得控除)ー48万円(基礎控除)ー約31万1000円(社会保険料控除))×5.105%(所得税率)
- 住民税:年9万4000円
(276万円ー110万円(公的年金所得控除)ー43万円(基礎控除)ー約31万1000円(社会保険料控除))×10%(住民税率)ー2500円(調整控除額)+5000円(均等割額)
- 国民健康保険料:年20万6000円
- 介護保険料:年10万4000円
- 手取り:年231万円(月19万3000円)
276万円ー4万4000円(所得税)ー9万4000円(住民税)ー20万6000円(国民健康保険料)ー10万4000円(介護保険料)
*各数値計算時の端数処理の関係で計算結果が一部一致していません
国民年金月6万8000円の手取りは月6万4000円、年金額月23万円の手取りは月19万3000円となります。
4. 年金は手取りで計算しよう
本記事で紹介したとおり、額面年金が増えるほど天引きされる税金と社会保険料も高額となります。
そのため、額面全額が振り込まれると思っていると、実際の振込額の少なさに驚いてしまうかもしれません。家計のシミュレーションをする際は、かならず手取りで考えるようにしてください。
参考資料
苛原 寛