2024年1月19日、厚生労働省は2024年度の年金額を公表しました。
これによると標準夫婦の厚生年金の月額は「23万483円」に増額となり、次回支給日である6月14日(金)から、増額分が支給されることになっています。
今回は2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
現代シニアの年金受給額についてご紹介しますので、老後資産について考えるきっかけにしてみてください。
1. 国民年金と厚生年金は2階建て構造
最初に、日本の公的年金制度について解説しておきたいと思います。
現役時代に加入する年金の種類が「国民年金」か「厚生年金」かによって、老後に受け取る年金額は大きく異なります。
以下で、それぞれの年金制度の概要と加入対象を確認しましょう。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
なお、国民年金には第1号被保険者(自営業者など)、第2号被保険者(会社員や公務員など)、第3号被保険者(第2号被保険者に扶養される配偶者)があります。
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
厚生年金は国民年金と比べて保険料や年金額の決定方法が異なるため、個人差が出やすく、一般的には国民年金よりも受給額が多くなる傾向にあります。
特に、企業に勤める会社員や公務員は厚生年金に加入するため、老後に受け取る年金額が増えることが多くなります。