4. 60歳代と比較すると…70歳代の貯蓄事情を一覧表でチェック!
同じく、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに70歳代の平均貯蓄額を確認します。
4.1 70歳代:単身世帯・二人以上世帯「平均貯蓄額」一覧表
それぞれの世帯における貯蓄額の割合は、以下の通りです。
70歳代・単身世帯(平均:1529万円、中央値:500万円)
- 金融資産非保有:26.7%
- 100万円未満:5.8%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:4.1%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.6%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.3%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:17.3%
70歳代・二人以上世帯(平均:1757万円、中央値:700万円)
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
70歳代でも貯蓄のない世帯が一定の割合でいます。単身世帯ではおよそ4人に1人、二人以上の世帯では5世帯に1世帯が貯蓄できていないことが見受けられます。
また、高い値に引っ張られるとされる「平均値」と、より実態に近しい「中央値」との開きも気になるところです。
5. 働き方とともに「流動的な物価」もチェックして
老後の働き方や退職年齢に関する調査から、老後生活における資金面の不安から退職年齢を引き下げる人が8割いること、その老後生活に向けた資産として1つの基準となるシニア世代の平均貯蓄額を確認してきました。
老後生活のために貯蓄をしていくことは重要なことです。
しかし、日本ではこれから本格的なインフレーションが始まる可能性があります。
インフレーション局面では物価上昇によって貯蓄の実質的な価値の目減りになり、せっかく貯めた資産を実際に取り崩す際に生活が苦しくなる可能性があります。
そうならないためにも、貯蓄の一部をインフレーションに強い資産に置き換えておくことでリスクを軽減できます。
新NISAやiDeCoのような非課税制度を利用し、物価上昇に負けない老後資産を築いていくのも検討してみましょう。
参考資料
- 株式会社LIFULL「経験豊富なシニアを募集する「老卒採用」を開始」
- 株式会社林商会「【40代以上の200名に調査】老後は何歳まで働く予定?理想の働き方や老後の楽しみ方について紹介します!」
- 株式会社林商会「コーポレートサイト」
- 株式会社林商会「終活瓦版」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
花輪 えみ