2024年度の年金額は2.7%の増額改定となり、6月14日(金)は増額分が初めて支給される日となります。
年金額は毎年改定されますが、増額のニュースを歓迎するシニアも多かったことでしょう。
ただし、年金は増額となりましたがマクロ経済スライドにより金額が調整され、実質的には目減りとなってしまいました。
この物価上昇の中で、年金額の目減りが年金受給者の生活に与える影響は無視できません。
今回は2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
本記事を参考に、セカンドライフへの備えについて考えてみましょう。
1. 日本の公的年金のしくみ
まずは、日本の公的年金の仕組みについておさらいしておきましょう。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
日本の公的年金制度は、二階建て構造を採用しています。
基礎年金と呼ばれる国民年金と、国民年金に上乗せして加入する厚生年金の二層から成り立っています。
国民年金は、すべての国民が加入する基礎的な年金であり、自営業者や学生、無職の人々も含まれます。
一方、厚生年金は主に会社員や公務員などの給与所得者が加入するもので、所得に応じて保険料を支払う仕組みになっています。
国民年金の保険料は定額であり、加入期間中に定められた保険料を支払うことで、老後に基礎年金を受け取ることができます。
一方、厚生年金は、給与に比例して保険料が決定されるため、収入が多いほど支払う保険料も多くなります。
また、厚生年金の受給額は、加入期間と支払った保険料に基づいて計算されるため、長く働き、より多くの保険料を納付した人ほど多くの年金を受け取ることができます。
このように、日本の公的年金制度は、老後の生活を支えるための重要な社会保障制度として運用されているのです。
次章からは、現代シニアが実際に受け取っている年金額について60歳代~90歳以上までの一覧表で確認してみましょう。