金融機関などの口座振込で年金を受け取っている人は、毎年6月に「年金振込通知書」が届きます。
では、この年金振込通知書には何が記載されているのでしょうか。
本記事では、6月に届く年金振込通知書のどこを見て何を把握すればいいのか紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 「年金振込通知書」は「どこ」を見て「何」を把握すればいいか
年金は毎年6月に支給額が改定される仕組みで、年金振込通知書には6月からの新たな年金支給額とそこから天引きされる社会保険料と税金の内訳が記載されています。
また、年金は前2ヵ月分が支払われるため、年金振込通知書に記載される金額は2ヵ月分の支給額です。
年金振込通知書に記載される主な項目は以下のとおりとなります。
【写真3枚】1枚目/年金振込通知書(見本)、2枚目/年金「月15万円」にかかる社会保険料と税金のシミュレーション結果表1/3
1.1 年金振込通知書に記載される主な項目
- 年金支払額(額面)
- 介護保険料額
- 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料
- 所得税額および復興特別所得税額
- 個人住民税額
- 控除後振込額
- 振込先
それぞれ、各項目の横に金額が記載されています。年金支払額(額面)と控除後振込額の差を計算すれば、年金から天引きされる税金と社会保険料の合計額がわかる仕組みです。
ぜひ、自宅に届いた年金振込通知書を確認し、自分がもらう年金から天引きされる社会保険料と税金がいくらなのか確認しましょう。
年金振込通知書をみれば年金から天引きされる社会保険料と税金がわかることを確認しましたが、実際にはどれくらいの社会保険料と税金が天引きされるのでしょうか。
次章で天引き額がいくらになるかシミュレーションしていきます。
2. 年金「月15万円」の社会保険料と税金はいくらか
以下の条件で、年金の額面が月15万円の人の社会保険料と税金をシミュレーションしてみましょう。
- 東京都練馬区在住の独身70歳
- 65歳から年金受給を開始していて、収入は年金のみ。
- 基礎控除と社会保険料控除のみを適用(生命保険料控除や地震保険控除などはなし)
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
【シミュレーション結果表】年金月額15万円から天引きされるお金の目安2/3
出所:筆者作成
2.1 年金月15万円(年180万円)にかかる社会保険料と税金
- 額面:年180万円
- 所得税:年4000円
(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー48万円(基礎控除)ー約15万円(社会保険料控除))×5.105%(所得税率)
- 住民税:年1万5000円
(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー43万円(基礎控除)ー約15万円(社会保険料控除))×10%(住民税率)ー2500円(調整控除額)+5000円(均等割額)
- 国民健康保険料:年6万4000円
- 介護保険料:年8万6000円
- 手取り:年163万2000円(月13万6000円)
180万円ー4000円(所得税)ー1万5000円(住民税)ー6万4000円(国民健康保険料)ー8万6000円(介護保険料)
*各数値計算時の端数処理の関係で計算結果が一部一致していません
*2024/5/27時点でシミュレーション
額面月15万円のうち月1万4000円が社会保険料と税金として天引きされます。内訳としては、介護保険料がもっとも高額です。
ここまで年金から天引きされる社会保険料と税金をシミュレーションしましたが、そもそもみんなどれくらいの年金を受け取っているのでしょうか。
次章で現在の厚生年金受給者の年金額を確認していきます。
3. 「厚生年金」みんなどれくらいもらっているのか
厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給額の分布は以下のとおりです。
3.1 厚生年金受給者の年金受給額(額面)
年金受給額 割合
- 月額1万円未満 0.38%
- 月額1万円以上2万円未満 0.10%
- 月額2万円以上3万円未満 0.34%
- 月額3万円以上4万円未満 0.59%
- 月額4万円以上5万円未満 0.64%
- 月額5万円以上6万円未満 0.96%
- 月額6万円以上7万円未満 2.57%
- 月額7万円以上8万円未満 4.30%
- 月額8万円以上9万円未満 5.80%
- 月額9万円以上10万円未満 7.03%
- 月額10万円以上11万円未満 7.05%
- 月額11万円以上12万円未満 6.47%
- 月額12万円以上13万円未満 5.91%
- 月額13万円以上14万円未満 5.79%
- 月額14万円以上15万円未満 5.96%
- 月額15万円以上16万円未満 6.21%
- 月額16万円以上17万円未満 6.51%
- 月額17万円以上18万円未満 6.62%
- 月額18万円以上19万円未満 6.32%
- 月額19万円以上20万円未満 5.69%
- 月額20万円以上21万円未満 4.75%
- 月額21万円以上22万円未満 3.56%
- 月額22万円以上23万円未満 2.40%
- 月額23万円以上24万円未満 1.58%
- 月額24万円以上25万円未満 1.04%
- 月額25万円以上26万円未満 0.64%
- 月額26万円以上27万円未満 0.37%
- 月額27万円以上28万円未満 0.21%
- 月額28万円以上29万円未満 0.10%
- 月額29万円以上30万円未満 0.05%
- 月額30万円以上 0.08%
平均年金月額 14万3973円
*厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている
受給額は人によって大きな差があり、月10万円未満の人もいれば月30万円以上年金をもらっている人もいます。平均の年金額は月14万3973円です。
4. 年金振込通知書をチェックしよう
年金受給者は、ぜひ6月に送られてくる年金振込通知書を確認しましょう。
額面ではなく手取りを把握し、家計を見直してみてください。
参考資料
苛原 寛