5. 公的年金の収入だけで生活する高齢者世帯は何パーセント?

厚生労働省が公表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金による収入だけで生活している世帯は全体の44%と半数にも満たないことが分かりました。

高齢者世帯の総所得に占める公的年金の割合

高齢者世帯の総所得に占める公的年金の割合

出所:厚生労働省 2022(令和4)年「国民生活基礎調査の概況」

約6割の高齢者世帯が、貯蓄の取り崩し、労働収入などによって年金だけでカバーできない部分を補填しています。

現役世代の人たちは、この事実を受け止め、自身の老後に向けて準備をしておく必要があります。

6. 老後の備え3選

それではここからは、老後に向けた備えの具体的解決策について考えてみましょう。

6.1 老後のライフプランを作成する

今後の老後資金が不足するかどうか、一番のカギとなるのは「自分がどういうセカンドライフを送りたいか」です。最低限の生活が出来れば十分という方もいれば、趣味などを謳歌して過ごしたい方もいるでしょう。

お金の使い方や理想のライフスタイルは人によって、ご夫婦でもお考えは様々です。一度自身のライフプランについて考えてみることをおススメします。

6.2 生活費(固定費)の見直しをする

近年の物価上昇を踏まえ、家計の圧迫を感じられる方は少なくありません。今のうちに毎月の収支を把握、整理してみましょう。

「塵も積もれば山となる」月数百円でも支出を減らすことが出来れば数年後にはそれなりに資産の差が出てきます。例えば携帯代や保険料、身近な出費から見直しをしてみましょう。

6.3 リタイヤ時期を出来るだけ伸ばす

年金受給開始年齢はいま65歳が一般的ですが、将来的には後ろ倒しになることも大いに考えられます。リタイヤ時期から年金受取開始まで空白の期間が生じると、老後資金が一気に不安となる方も多いでしょう。

平均寿命(健康寿命)が延びている今、少しでも長く働く期間を確保することも将来の年金不足対策としては有効かもしれません。

参考資料

笹村 夏来