厚生労働省は、社会保険料を計算する際に、確定申告をしていない金融所得を保険料に反映させられないか検討を始めました。
貯蓄をはじめ、金融資産を保有している人にとっては、関心の高いテーマだといえるでしょう。
では「貯蓄を3000万円以上保有している人」はどれくらいいるのでしょうか。
今回は、年収別に貯蓄が3000万円以上ある人の割合を解説します。
記事の後半では、効率よく貯蓄できる方法についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 年代別にみた貯蓄額はいくら?
金融広報中央委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査」から、まずは年代別にみた貯蓄額がいくらか確認しましょう。
2人以上の世帯と単身世帯で、貯蓄の平均額を確認します。
1.1 年代別にみた貯蓄額(2人以上世帯)
年代別の貯蓄の平均額をみると、2人以上の世帯では以下の通りになりました。
- 20歳代:249万円
- 30歳代:601万円
- 40歳代:889万円
- 50歳代:1147万円
- 60歳代:2026万円
- 70歳代:1757万円
どの年代でみても、平均貯蓄額は3000万円には到達していませんでした。
1.2 年代別にみた貯蓄額(単身世帯)
単身世帯の状況もあわせて確認しましょう。
- 20歳代:121万円
- 30歳代:594万円
- 40歳代:559万円
- 50歳代:1391万円
- 60歳代:1468万円
- 70歳代:1529万円
単身世帯についても、平均貯蓄が3000万円以上に達した年代はありませんでした。
以上から、3000万円以上の貯蓄を保有することはハードルが高いといえるでしょう。
では、年収が高いと貯蓄は進めやすいのでしょうか。次章では年収別の貯蓄額について確認しましょう。
2. 年収別にみた貯蓄額はいくら?
年収別の貯蓄の平均額をみると、2人以上の世帯では以下の通りになりました。
2.1 年収別にみた貯蓄額(2人以上世帯)
- 300万円未満:618万円
- 300万円以上500万円未満:1051万円
- 500万円以上750万円未満:1193万円
- 750万円以上1000万円未満:1681万円
- 1000万円以上1200万円未満:2400万円
- 1200万円以上:3892万円
年収1200万円以上の世帯では、平均貯蓄額が3000万円を超えました。
では、単身世帯ではどのような結果となったか確認しましょう。
- 300万円未満:663万円
- 300万円以上500万円未満:1019万円
- 500万円以上750万円未満:1943万円
- 750万円以上1000万円未満:3837万円
- 1000万円以上1200万円未満:634万円
- 1200万円以上:1億7011万円
単身世帯では「750万円以上1000万円未満」「1200万円以上」の年収レンジで、平均貯蓄額が3000万円以上となりました。
あくまでも世帯の状況によりますが、傾向としては単身世帯で収入が高くなると貯蓄額が増える傾向にあります。
次章では、貯蓄額が3000万円を超えている人の割合を確認しましょう。
3. 貯蓄3000万円以上の割合
貯蓄額が3000万円以上ある世帯の割合について、総務省統計局が2024年5月17日に公表した「家計調査」から確認しましょう。
年代別と年収別に、それぞれ解説します。
3.1 年代別にみた割合
年代別に貯蓄が3000万円以上ある人の割合は、以下の通りです。
- 24歳以下:2人以上の世帯0%・勤労世帯0%
- 25~29歳:2人以上の世帯1%・勤労世帯1%
- 30~34歳:2人以上の世帯3%・勤労世帯3%
- 35~39歳:2人以上の世帯4%・勤労世帯4%
- 40~44歳:2人以上の世帯8%・勤労世帯8%
- 45~49歳:2人以上の世帯11%・勤労世帯10%
- 50~54歳:2人以上の世帯15%・勤労世帯14%
- 55~59歳:2人以上の世帯20%・勤労世帯19%
- 60~64歳:2人以上の世帯30%・勤労世帯27%
- 65~69歳:2人以上の世帯28%・勤労世帯21%
- 70歳以上:2人以上の世帯27%・勤労世帯21%
次では、年収別に貯蓄が3000万円以上ある割合を確認しましょう。
3.2 年収別にみた割合
貯蓄額が3000万円以上の割合を、年収階級別にみると以下の通りになりました。
- 200万円未満:2人以上の世帯9%・勤労世帯4%
- 200万円以上250万円未満:2人以上の世帯11%・勤労世帯12%
- 250万円以上300万円未満:2人以上の世帯13%・勤労世帯4%
- 300万円以上350万円未満:2人以上の世帯19%・勤労世帯6%
- 350万円以上400万円未満:2人以上の世帯21%・勤労世帯4%
- 400万円以上450万円未満:2人以上の世帯24%・勤労世帯6%
- 450万円以上500万円未満:2人以上の世帯18%・勤労世帯9%
- 500万円以上550万円未満:2人以上の世帯17%・勤労世帯7%
- 550万円以上600万円未満:2人以上の世帯17%・勤労世帯9%
- 600万円以上650万円未満:2人以上の世帯14%・勤労世帯7%
- 650万円以上700万円未満:2人以上の世帯19%・勤労世帯12%
- 700万円以上750万円未満:2人以上の世帯18%・勤労世帯11%
- 750万円以上800万円未満:2人以上の世帯14%・勤労世帯9%
- 800万円以上900万円未満:2人以上の世帯18%・勤労世帯12%
- 900万円以上1000万円未満:2人以上の世帯24%・勤労世帯20%
- 1000万円以上1250万円未満:2人以上の世帯22%・勤労世帯19%
- 1250万円以上1500万円未満:2人以上の世帯31%・勤労世帯28%
- 1500万円以上:2人以上の世帯53%・勤労世帯49%
年収が1500万円を超えていても、貯蓄3000万円以上ある割合はおよそ50%でした。
年収が高くても、約半数が貯蓄3000万円に届かないのはなぜか、考えられる理由を確認しましょう。
4. 年収が高くても貯められない理由
年収が高くても貯蓄できないのは「生活支出が多い」「資産運用にお金を回せていない」点が、理由として考えられます。
例えば、年収1000万円以上の勤労世帯における負債額をみると、以下の通りになりました。
- 年収1000万円以上年収1250万円未満:1322万円
- 年収1250万円以上年収1500万円未満:1387万円
- 年収1500万円以上:1550万円
収入が多くなるにつれて、負債額も多い結果となっています。
そのため、支出が多い点が貯蓄に回せない理由と考えられるでしょう。
また、貯蓄ができていても運用効率が悪い金融資産にお金を回している可能性もあります。
そのため、余裕資金が適切な運用先に回せているかチェックする必要があるでしょう。
5. 効率的に貯蓄する方法とは
効果的に貯蓄をするためには、以下のポイントを踏まえながら準備すると良いです。
- 家計を見直して生活支出を減らす
- 先取り貯蓄をする
- 運用効果の高い金融商品に投資する
まず、家計を見直して不要な支出を減らしましょう。
家賃や保険料といった固定費をはじめ、通信費やサブスク費用に無駄がないか確認してください。
先取り貯蓄は、手取りの収入から一定の割合を貯蓄に回す貯蓄方法です。
先取り貯蓄の割合は、手取り収入の25%を回せるように、家計管理をしてください。
最後に、先取り貯蓄する分を運用効果の高い金融商品に回しましょう。
投資信託や株式への投資は、預金に比べて運用効果が高い金融商品です。
NISAやiDeCoを活用しながら、将来の資産を形成しましょう。
6. 家計の状態を定期的にチェック
足元では、6月から電気代の補助金が終了します。
さらに、マイナス金利政策の解除によって、金利が徐々に上がっていきます。
そのため、これまでより支出額が増える可能性が高まっているでしょう。
そのため、貯蓄ができる状態か、家計の状態は定期的にチェックしてください。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」
- 総務省統計局「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」
- 厚生労働省「武見大臣会見概要(令和6年4月26日(金)8:44~8:50 衆議院第16委員室前)」
川辺 拓也