3. 定額減税のよくある質問
定額減税に関する質問・疑問をまとめました。定額減税は複雑な制度です。少しずつ理解を深めていきましょう。
3.1 定額減税で引ききれないお金はどうなりますか?
定額減税で引ききれないお金が発生した際は、引ききれなかった分を「調整給付」として支給します。
給付は1万円未満の端数を切り上げるため、本来減税されるはずだった金額よりも多い金額を受け取れます。
調整給付の日程は、住んでいる自治体から別途案内されます。
自治体からの郵便物を見逃さないようにしてください。
3.2 年度途中で103万円の壁を超えたらどうなりますか?
年度途中で扶養している親族の収入が103万円を超えた場合、年末調整で減税額が調整されます。
その年の12月31日の情報が正しいものとみなされるためです。
たとえば、夫婦で6万円の所得税減税を受けていた世帯で、扶養に入っていた妻のパート年収が103万円を超えたとしましょう。
この場合、夫の職場の年末調整で減税額が調整され、妻の減税分として差し引かれていた3万円が徴収されます。
4. 増えた手取りを有効活用しよう
定額減税は、物価高騰対策として昨秋から掲げられてきた施策の一つです。
1人あたり4万円の減税で、個人の消費増や経済活性化が期待されています。
しかし、住民税の特別徴収では本来12ヶ月で割るべき金額を11ヶ月で割って徴収するため、6月以降は例年よりも多い金額を納めなければいけない人もいます。
加えて、税金は一律で減額されるわけではありません。
複雑な仕組みがかえって減税の恩恵を実感しにくくなっているともいえます。
直接的な給付ではないため実感は湧きにくいかもしれませんが、6月からは自由に使えるお金が幾分か増えます。
増えた手取り分は資産運用にまわしたり、プチ贅沢や自己投資などの個人消費に充てたりして、有効に使いましょう。
参考資料
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年度分結果確報」
- 国税庁「定額減税について」
- 首相官邸「第二百十二回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説」
- 国税庁「No.2875 居住者と非居住者の区分」
- 内閣官房「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」
- 総務省「個人住民税の定額減税に係るQ&A集」
- 国税庁「令和6年分所得税の定額減税について(給与所得者の方へ)」
石上 ユウキ