2. 定額減税で給与からの手取りはいくら増える?シミュレーション
定額減税により、私たちの給与から手取りはいくら増えるのでしょうか?会社員の単身世帯と家族世帯を例に、おおよその手取りアップ額をシミュレーションしてみましょう。
2.1 単身世帯
単身世帯のシミュレーションモデル情報は以下のとおりです。
上記の内容で定額減税後の手取り収入をシミュレーションすると、手取り収入額は以下のようになります。
手取り収入額は、6月が1万9000円、7月が5000円、8月から10月までは5800円増加します。
単身世帯の場合、減税される額は所得税が3万円、住民税が1万円です。
所得税が毎月6000円だと、6月から10月までの5ヶ月間減税を受けられます。
住民税は年額に対して1万円が差し引かれます。
6月分は徴収されず、7月以降は減税後の税額を11ヶ月で割った金額が徴収される仕組みです。
住民税の端数については7月にまとめて徴収されます。
住民税が月額1万3000円の場合、年額は15万6000円、減税後の税額は14万6000円です。
よって、6月は1万3000円全額が差し引かれ、7月は1万4000円、8月から翌年5月までは1万3200円の税負担が発生します。
なお、上記のモデルでは11月以降に所得税減税が終了するため、手取り収入額が5月時点と比べて減少してしまいます。
減税の恩恵を受けられるのが数ヶ月間のみの人もいることをおさえておきましょう。
2.2 家族世帯
家族世帯のシミュレーションモデル情報は以下のとおりです。
上記の内容で定額減税後の手取り収入をシミュレーションすると、手取り収入額は以下のようになります。
手取り収入額は6月が3万円、7月から12月までは1万2000円増加します。
加えて、所得税の減税額をすべて控除しきれないため、2万円の調整給付も受けられます。
3人家族の場合、減税される額は所得税が9万円、住民税が3万円です。
所得税が毎月1万1000円の場合、12月まで毎月減税を受けられます。
合計7万7000円の減税となりますが、まだ1万3000円差し引かれる分が残っています。
残った金額については、6月以降に調整給付として支給されます。
調整給付は1万円未満の端数を切り上げるため、給付額は2万円です。
住民税は、年額が22万8000円のため、3万円差し引かれると19万8000円となります。
11ヶ月で割った額は1万8000円で、負担額は5月よりも1000円少なくなります。
このように、収入や世帯人数によっては、調整給付や税負担額の減少など、減税による恩恵を十分受けられる可能性があります。
次章では「定額減税」にまつわるよくある質問を、元公務員である筆者が解説しています。