5. 【解説】老後のために、分散を取り入れた「資産運用」を検討して
老後資金の準備をしていく上で大事になってくるのが「分散」の考え方です。
唯一の資産に集中して配分するのではなく、特徴と性質の異なるものでもっておく「資産分散」もそのひとつです。資金そのものやリスクの分散は資産運用をしていく上で重要な要素だといえるでしょう。
たとえば、株式に偏った資産配分のままだと、大きな下落局面になった場合に資産が大きく目減りしてしまいます。
流動性の観点から預金や債券も資産確保しておくことが必要でしょう。
また「分散投資」というのも重要な要素といえます。
経験上、投資に詳しくない方がよく陥りがちなのが、証券会社のランキング上位のものをそのまま取り入れる方法。とくに初めて投資する方に多く散見されます。
相場が同一のものに投資すると上がる局面と下がる局面が一緒になるため、これは正しい分散とは言えません。
相場環境が異なるものに投資をすることが、効率的かつ有能な分散といえるでしょう。
このように「分散」と一口にいっても様々。自身の状況や考え方にあった選択をしていくのがおすすめです。
6. 自分に合った方法で「老後資金」の用意を
現代シニアである60歳代・70歳代のなかでも、まだ貯蓄を始めていない方も多いようです。
老後に不安を感じていたり、これから貯蓄を始めようと思っていたりする方には「先取り貯蓄」がおすすめです。
これは収入から一定額を先んじて貯蓄し、残ったお金で生活するというもの。日々、コンビニやカフェでなど、小さな出費や使いすぎの防止策にもなるためおすすめです。
貯蓄に余裕が出てきたら、国が整備している新NISAやiDeCoなど自分に合った資産形成を検討してみてください。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- LIMO(筒井 亮鳳)「70歳代・60歳代の羨ましい「貯蓄3000万円以上」の世帯は何パーセント?元生命保険販売員が解説」※記事の数字を一部引用しています
入慶田本 朝飛