3. 老後の出費はいくらになるか

続いて、老後の出費にはどのようなものがあるのか見ていきます。

実際の支出は家族の人数や居住地等によって大きく異なるため、個々にシミュレーションすることが大切です。

ここでは特に忘れてはいけない出費について、具体的に確認しておきましょう。

3.1 有料老人ホームへの入居

有料老人ホームは、高級な施設であれば数千万円の入居費用がかかるとされています。

比較的安いタイプもありますが、入居待ちの方も多く、なかなか入居できないという方も。

どのような施設に入居するかにもよりますが、有料老人ホームへの入居を検討している場合は、意識して貯蓄しておく必要があるでしょう。

3.2 介護費用

介護費用も老後の負担として大きい項目のひとつです。

2021年度の生命保険に関する全国実態調査によると、介護費用は在宅の場合で月額平均4万8000円、施設の場合で月額平均12万2000円となっており、決して安い金額ではありません。

長期間介護が必要になった場合、貯金を大きく取り崩さないと生活できない可能性があります。

介護が必要な状態にいつなるかはわかりませんので、安心して老後を過ごすためには蓄えが必要です。

3.3 医療費

高齢になると医療にかかる機会が増えるため、医療費も若い時に比べると増える傾向にあります。

前述の総務省の家計調査年報によると、高齢単身世帯の消費支出の6.4%は、医療費となっています。

高額な治療が必要な場合がありますので、貯金を残しておくか、民間の医療保険などで備える必要があります。