毎日の食事に便利なお惣菜。ここ数年で市場は伸びており、スーパー各社がしのぎを削っています。株式会社イトーヨーカ堂(以下、イトーヨーカドー)は、2024年5月22日に本気の新ブランド「YORK DELI」を投入しました。同社は「食」にフォーカスした成長戦略を推進しており、市場が拡大している惣菜事業についても注力しています。どのようなブランドなのか、同日に開催された説明会の内容をもとに解説していきます。

イトーヨーカドーは「食」にフォーカスした成長戦略を推進中

イトーヨーカドー店舗の写真

筆者撮影

1. 【イトーヨーカドーの惣菜新ブランド】苦戦していた惣菜分野で巻き返しを図る

惣菜市場はコロナ禍で2020年に規模が前年の10兆3200億円から9兆8195億円に減少しましたが、その後は年々右肩上がりで回復し、22年には19年の水準を超えています(参考:一般社団法人日本惣菜協会「2023年版 惣菜白書」)。ただ、イトーヨーカドーは同分野において競合他社に遅れをとっており、改善に向けた取り組みを進めていました。

惣菜市場は2020年以降、拡大している

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出所:一般社団法人日本惣菜協会「2023年版 惣菜白書」

今回発表された「YORK DELI」はイトーヨーカドーの惣菜への本気度をユーザーに伝えていくことも重視しています。これまで売り場では複数のブランドが展開されていたり、販促物や容器が統一されていなかったり、商品価値を十分に発信できていなかったという反省を踏まえて、ロゴ・容器・販促物を統一しました。

もちろん最大のこだわりは「味」です。「『毎日食べたい』おいしさ。」をコンセプトに、新鮮で良質な素材を生かした惣菜を展開していきます。「毎日食べたい=飽きない味」を意識しており、奇をてらわず王道の季節のメニューや定番のメニューを多くラインナップする方針です。