2. 【解説】4月15日「ひとりで30万円の年金」を受け取れたのはどんな人?
まず、4月15日に支給された年金は2023年度分(2024年2月・3月分)であることに注意しましょう。
2024年度、つまり2024年4月・5月分の年金は次回6月14日から支払い開始されます。
厚生労働省の資料には、2023年度の国民年金と厚生年金の年金額は下記のとおりまとめられていました。
2.1 【2023年度】国民年金(満額)と厚生年金の年金額(夫婦モデルケース)
- 国民年金(満額):6万6250円(68歳以上の方は6万6050円)
- 厚生年金(2人分の国民年金と厚生年金):22万4482円 ※1
※1 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、夫婦で受給できる年金給付水準
上記の通り、2023年度の年金モデル例は、67歳以下の国民年金の満額が6万6250円、標準的な夫婦で合計22万4482円となりました。
「標準的な夫婦の年金22万4482円」の内訳は、夫婦の老齢基礎年金(満額)と夫の厚生年金です。ここから厚生年金部分を算出してみましょう。
22万4482円ー(6万6250円×2人分)=9万1892円
厚生年金部分のみで約9万円でした。この金額こそ、平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合にもらえる純粋な厚生年金月額といえます。
1人あたりの年金受給額で換算すると、老齢基礎年金と合わせて「15万8232円」になります。
2.2 ひとりで30万円の年金を受け取れたのは「平均標準報酬で40年間就業し、国民年金も満額受け取れる人」
2ヶ月に1度、前々月と前月分が支給される公的年金。2024年のスケジュールは以下のとおりです。
先ほど算出した「15万8232円」を単純に倍にすると、31万6464円となります。
つまり、ひとりで「30万円の年金」を受け取れたのは「平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した人で、国民年金保険料も満額受け取れる人」といえます。
ただし、支給額はあくまでも「額面」の金額。ここから社会保険料や税金が天引きされることには注意しましょう。
毎年6月に送付される「年金振込通知書」にて、実際の振込額を確認することが大切です。
なお、2024年度の年金も改定が行われて増額となりました。次の章で、2024年度の年金額モデルをみていきましょう。