2. 老後の支出はいくらか
総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上単身無職世帯の平均支出は月額15万7673円です。年間にすると約189万円になります。
平均年収400万円の会社員が60歳から繰上げ受給した場合の年金受給額は年間約122万円でしたので、毎年67万円の資金が不足する計算です。
3. 老後2000万円あれば60歳から年金の受取を開始しても大丈夫なのか
繰上げ受給により60歳から年金の受取を開始した場合、毎年67万円の老後資金が不足することを確認しましたが、老後2000万円あればこの不足分を賄うことは可能なのでしょうか。
結論、2000万円で足りるかは寿命によって異なります。寿命別にみた、年金とは別に必要な資金は以下のとおりです。
3.1 寿命ごとの老後に必要な金額
寿命 老後に必要な金額
- 70歳 670万円
- 75歳 1005万円
- 80歳 1340万円
- 85歳 1675万円
- 90歳 2010万円
- 95歳 2345万円
- 100歳 2680万円
90歳まで生きる場合、年金とは別に必要な老後資金は2010万円です。そのため、老後資金2000万円では足りません。一方で、90歳よりも寿命が短い場合は2000万円あれば生活費を補えます。
4. 老後の生活をシミュレーションしよう
老後にもらえる年金や生活費は人それぞれです。
人によっては、繰上げ受給により60歳から年金をもらっても経済的に余裕のある暮らしを送れる人もいるでしょう。
ぜひ、自分がもらえる年金や生活費を計算して、理想的な老後生活を送るためのシミュレーションをしてみてください。
参考資料
苛原 寛