先日、厚生労働省は5年に1度おこなう財政検証で、国民年金の保険料納付期間を5年間延長し、20歳から65歳までの45年間にした場合で試算する方針だということを公表しました。
このニュースを聞いて、「また現役世代の負担を増やすのか!」という落胆の声をあげる方もいれば、「将来、自分たちが年金を受け取るときに少しでも年金額が増えるのであればやむを得ない」という声も聞こえるなど、人それぞれ捉え方は様々です。
しかし、仮に納付期間を延長したところで年金額はそんなに増えるのでしょうか。
そもそも今のシニアが受け取っている年金額は具体的にどのくらいなのでしょう。
多少増えたところで、そんなに老後の生活をおくる上で十分安心できるような水準の年金額を受け取れるのでしょうか。
今回は、今のシニアが受け取っている年金額を見ていきながら資金の準備について考えていきたいと思います。
1. 日本の公的年金「国民年金&厚生年金」の仕組み
年金は、加入する種類によって年金額が大きく異なるため、基本的な仕組みはおさえておくようにしましょう。
日本の公的年金制度は2階建ての構造となります。
国民年金のみの方と、国民年金に加えて厚生年金に加入する方がいます。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
上記のとおり、現役時代の働き方によって加入する年金が異なります。
年金額の決定方法も違うため、老後に受給する年金も個人差があるので注意しましょう。
2. 2024年「年金支給日」カレンダー
公的年金は2ヶ月に1度、偶数月の15日(土日・祝祭日の場合は直前の平日)が支給日となります。
支給日に、前々月と前月分がまとめて支給されます。
年金支給日:支給対象月
- 2024年4月15日(月):2024年2月分・2024年3月分
- 2024年6月14日(金):2024年4月分・2024年5月分
- 2024年8月15日(木):2024年6月分・2024年7月分
- 2024年10月15日(火):2024年8月分・2024年9月分
- 2024年12月13日(金):2024年10月分・2024年11月分
現役時代の給与は、毎月振り込まれるケースがほとんどです。
一方で、年金は2ヶ月分がまとめて振り込まれますので、うっかり使い切ってしまわないように計画的に家計管理しましょう。