老後資金を不安に感じる人が多い一方、「財産は自分で使い切りたい」と考える方もいます。どれほどの世帯が「遺産を残したい」あるいは「財産は使い切りたい」と考えているのでしょうか。
調査では、70歳代・ひとり世帯の貯蓄ゼロ率が26.7%になったことがわかりました。
6月支給の年金から2.7%の増額が控える今、高齢者のお金事情に注目が集まります。
今回は公的資料より、70歳代・ひとり世帯の貯蓄事情についてみていきましょう。
1. 70歳代「遺産を残したい」「財産を使い切りたい」の割合とは
まずは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[ひとり世帯調査](令和5年)」より、70歳代の「遺産についての考え方」を見ていきます。
- 老後の世話をしてくれるならば、こどもに財産を残してやりたい:10.7%
- 家業を継いでくれるならば、こどもに財産を残してやりたい:0%
- 老後の世話をしてくれるか、家業を継ぐか等に関わらずこどもに財産を残してやりたい:18.5%
- 財産を当てにして働かなくなるといけないので、社会・公共の役に立つようにしたい:0.6%
- 財産を残すこどもがいないので、社会・公共の役に立つようにしたい:3.9%
- 財産を残すこどもがいないうえ、自分の人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい:21.8%
- こどもはいるが、自分の人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい:17.7%
条件つきで財産を残したいという意見もありますが、18.5%は「老後の世話をしてくれるか、家業を継ぐか等に関わらずこどもに財産を残してやりたい」と考えているようです。
一方で、「こどもはいるが、自分の人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい」という意見が17.7%となりました。
こどもがいない世帯も足すと、39.5%が財産の使い切りを希望しています。
では、すでに70歳代において貯蓄ゼロという世帯はどれほどいるのでしょうか。