2024年4月16日、第14回社会保障審議会年金部会が開催されました。

資料では公的年金の収支状況として、「年度末積立金は前年度に比べ4.4兆円増加」であることがわかります。

しかしの合計特殊出生率の低下を踏まえ、長期的な観点から考えれば、公的年金財政の均衡が崩れる可能性も指摘されています。

そんななか、皆様は老後の生活についてどのようにお感じでしょうか。

おそらく、特にお金の面で何かしらの不安要素を感じている方が多いのではないかと思います。

老後に私たちが受け取れる年金というのはそんなに強く不安を覚えるほど少ない金額なのでしょうか。

今回は今のシニアの年金受給額を一覧表で見ていきながら老後の資金づくりについて考えていきたいと思います。

1. 公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組み

まずは日本の公的年金の仕組みを確認しましょう。

【写真全9枚中1枚目】日本の年金制度のしくみ。2枚目以降は厚生年金の年齢ごとの平均受給額を一覧表で紹介

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)

  • 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
  • 保険料は一律
  • 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 公務員やサラリーマンなどが加入する
  • 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
  • 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる

日本の公的年金は国民年金と厚生年金の2階建てになっています。

現役時代の働き方によって加入していた年金により、将来受給する年金が異なります。

2. 【年金一覧表】60歳代・70歳代・80歳代「厚生年金」の平均年金月額はいくら?

では、今のシニアはどれくらい年金を受給しているのでしょうか。

厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢別の平均年金月額を確認しましょう。

なお、以下の厚生年金はすべて国民年金部分を含みます。

2.1 厚生年金の平均月額(60歳代:60歳~69歳)

【写真全9枚中2枚目】60歳代の厚生年金額

60歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:厚生年金9万4853円
  • 61歳:厚生年金9万1675円
  • 62歳:厚生年金6万1942円
  • 63歳:厚生年金6万4514円
  • 64歳:厚生年金7万9536円
  • 65歳:厚生年金14万3504円
  • 66歳:厚生年金14万6891円
  • 67歳:厚生年金14万5757円
  • 68歳:厚生年金14万3898円
  • 69歳:厚生年金14万1881円

2.2 厚生年金の平均月額(70歳代:70歳~79歳)

【写真全9枚中3枚目】70歳代の厚生年金額

70歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:厚生年金14万1350円
  • 71歳:厚生年金14万212円
  • 72歳:厚生年金14万2013円
  • 73歳:厚生年金14万5203円
  • 74歳:厚生年金14万4865円
  • 75歳:厚生年金14万4523円
  • 76歳:厚生年金14万4407円
  • 77歳:厚生年金14万6518円
  • 78歳:厚生年金14万7166円
  • 79歳:厚生年金14万8877円

2.3 厚生年金の平均月額(80歳代:80歳~89歳)

【写真全9枚中4枚目】80歳代の厚生年金額

80歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:厚生年金15万1109円
  • 81歳:厚生年金15万3337円
  • 82歳:厚生年金15万5885円
  • 83歳:厚生年金15万7324円
  • 84歳:厚生年金15万8939円
  • 85歳:厚生年金15万9289円
  • 86歳:厚生年金15万9900円
  • 87歳:厚生年金16万732円
  • 88歳:厚生年金16万535円
  • 89歳:厚生年金15万9453円

一般的な年金受給開始年齢である65歳以降をみると、年齢があがるにつれ平均月額が上がっており、平均で月額14~16万円台でした。

ただし、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため(上限あり)、個人差が大きいのが特徴となっています。

なお、65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となっています。