毎日の生活でエコを意識する人が増えてきています。さまざまな生活用品を販売するライオン株式会社はそうした取り組みに貢献すべく、2024年4月18日に新しいプロジェクト「Choose one Project」を発表しました。同日に開催した発表会では、プロジェクトの詳細を説明するとともに、異業種企業によるサスティナビリティをテーマにしたパネルディスカッションを実施しました。

「Choose one Project」のロゴ1/8

「Choose one Project」のロゴ

出所:ライオン株式会社広報

1. 【LIONのエコプロジェクト】「Choose one Project」とは?

同社の「Choose one Project」は、生活の中で実践できる洗濯のエコ活動を啓発するものです。具体的には「すすぎ1回」と「衣類のロングライフ化」を新しい生活習慣として訴求していきます。プロジェクトのWebサイトを立ち上げ、4月22日の「アースデイ(地球の日)」から「服に、地球に、ちょっといいセンタクを。」というキーワードで生活者にコミュニケーションをとっていきます。

背景にあるのは日本のGHG(温室効果ガス)排出量の約6割が家計消費に由来するという事実です。環境省が推進している脱炭素の運動「デコ活」ではそれぞれの分野における効果的な取組みを紹介しており、その中には「家電のエコな利用方法」や「衣類の長寿命化」が挙げられています。

2. 【LIONのエコプロジェクト】なぜ「すすぎ1回」を訴求するのか

プロジェクトの柱となる「洗濯のすすぎを1回にしましょう」というメッセージに「なぜすすぎ?」と不思議に思った方もいるかもしれません。あまり知られていないことですが、実は洗濯のすすぎの設定を変えることは、節電・節水・CO2削減に想像以上に大きな効果をもたらします。

ライオンの調査によると、1世帯あたりの「すすぎを2回から1回にした場合」の節水効果は約36L、これは1年間継続すればお風呂で浴槽に貯める量の約2ヶ月分に相当するそうです。もし1000万世帯が実践したとすれば、年間の節水効果は約1314億Lという大きな数字になります。

洗濯のすすぎを1回にする節水効果は絶大2/8

資料のスライド写真

筆者撮影

同社のホームケア事業部の金子智之・ブランドマネージャーは「小さなエコ活動は自分一人がやってもしょうがないと思われがちだが、すすぎの設定変更は指1本で実践でき、毎日の積み重ね習慣が大きな結果につながる。業界の常識でも生活者には知られていないことは多くあり、そうしたことを今回のプロジェクトでは伝えていきたい」と語りました。

ライオン株式会社 ホームケア事業部 金子智之 ブランドマネージャー3/8

スピーチをする男性の写真

筆者撮影

3. 【LIONのエコプロジェクト】衣類のロングライフ化に洗濯で貢献

「すすぎ1回」と並んで今回のプロジェクトでピックアップされているのが「衣類のロングライフ化」です。これは製造から廃棄に至るまで環境負荷が大きいと言われているアパレル業界において、世界的なトレンドにもなっており、環境省が推奨する環境負荷を考慮したサステナブルファッションにもつながる取組みです。

これに貢献するために、現在ライオンが販売に注力しているのが、高濃度コンプリートジェル「NANOX one(ナノックス ワン)」です。ライオンの調査によると衣類の廃棄理由は「色変化」によるものが多いとのことですが、同商品は洗浄・消臭力と色変化防止力を両立させることで、従来は実現できなかった「しっかり洗えて色も落ちない」を可能にしました。

ライオンが販売に注力している「NANOX one(ナノックス ワン)」4/8

資料のスライド写真

筆者撮影

NANOX oneは「すすぎが1回でOK」というのもポイントです。環境貢献は先述した通りですが、衣類はすすぎから脱水を繰り返す過程でダメージを受けるため、衣類のロングライフ化にもつながります。同社は「すすぎ0回でOK」のおしゃれ着用洗剤「アクロンスマートケア」などの商品も展開するなど、衣類を洗浄するだけでなく、いかに長持ちさせるかという視点も重視しています。

NANOX oneはすすぎ1回でもしっかりと汚れを落とすことができる5/8

掲げられているTシャツの写真

筆者撮影

4. 【LIONのエコプロジェクト】異業種企業のさまざまな取り組み

今回の発表会ではプロジェクトに賛同する異業種企業として、株式会社ツインバード、株式会社FABRIC TOKYO、株式会社LIFULLを交えたパネルディスカッションも開催されました。

家電メーカーとして参加した株式会社ツインバードの井上淳也・執行役員は、すすぎ1回モードを搭載する洗濯機や庫内を開けることなく中身を確認できる冷蔵庫など、エコを意識した製品について紹介。「事業全体で環境負荷を意識している」と説明し、「Choose one Project」にも賛同の意を示しました。

株式会社ツインバード 井上淳也 執行役員6/8

スピーチをする男性の写真

筆者撮影

株式会社FABRIC TOKYOのブランドデザインチーム 土山純史・Head of Strategyは、同社が進めている梱包の簡易化について紹介。「シャツ1枚であれば袋に入れて郵送するなど、積極的にサスティナブルな取組みを行っているが、ユーザーからは『もっと簡略化できないのか』という声もある」と生活者のエコ意識の高まりに言及しました。

株式会社FABRIC TOKYO ブランドデザインチーム 土山純史 Head of Strategy7/8

スピーチをする男性の写真

筆者撮影

株式会社LIFULLは環境とは別のベクトルでサスティナビリティに向き合っています。ブランドコミュニケーション部 PRグループの遠山佳子・グループ長は不動産業界で問題になっている「住宅弱者問題」や「おとり物件問題」への取組みについて紹介。「業界の慣習で仕方ないと思われていることにもAIなどの技術を駆使すれば解決することはできる」とコメントしました。

株式会社LIFULL ブランドコミュニケーション部 PRグループ 遠山佳子 グループ長8/8

スピーチをする女性の写真

筆者撮影

今回のプロジェクトに期間は設けられておらず、継続的にさまざまなメッセージを打ち出していくとのことです。金子ブランドマネージャーは「習慣化が重要なので時間をかけて啓発していきたい。異業種の企業と連携も含めて、取り組みを広げていきたい」と語っています。節水・節電はエコだけでなく節約にもつながる取り組みなので、生活者にとって有益な情報が多く出てくることに期待したいところです。

参考資料

大蔵 大輔