続いて資産価値についてです。「資産価値が高いマンションがいい」「中古マンションは資産価値を重視しよう」などはよく耳にする言葉だと思いますが、具体的に資産価値の高いマンションはどういったものなのか、この項目で説明します。

立地

「資産価値」の項目で立地条件は必ずといっていいほど目にする単語だと思いますが、それくらい価値に直結するものなのです。ではどういった立地が資産価値の高いマンションになるのか、

  1. 交通利便性
  2. 生活利便性
  3. 街の成長性

という3つの視点に分けて見ていきましょう。

交通利便性

立地と聞くと、皆さんが一番初めに思い浮かべるのが「交通利便性」ではないでしょうか?最寄り駅やバス停からの距離が近い、ターミナル駅までアクセスがしやすい、複数駅が利用できるなど、交通アクセスがいいマンションは確実に資産価値が高いと言えます。

生活利便性

次は生活のしやすさについてです。具体的には

  • 商業施設や病院が近い
  • 生活圏内の道のりにアップダウンがない
  • 治安が良い
  • 自治体の活動やサービスが盛んである

などが挙げられます。これについてはパッと見てわからないものもありますので、売主やマンション掲示板を確認してみましょう。特に自治会の活動については掲示されているケースが多いので、一度目を通すことをおすすめします。

街の成長性

これからその地域が発展していく可能性がある場合、将来的な資産価値は上がる傾向があります。豊洲や武蔵小杉など、街自体が再開発されるケースは、その最たる例です。

また他の例ですと、再開発で駅前の大幅なリニューアルや、区画整理が行われている場合です。中野サンプラザと区役所の一体開発が行われている「中野駅」や、駅前を中心とした複数の商業ビルが開発されている「渋谷駅」、駅前にツインタワーマンション・商業ビルが開発された「目黒駅」、東口に東京ガス・三井不動産・三菱地所によるビジネス拠点を開発している「田町駅」などがあります。品川駅と田町駅の間のJR山手線・新駅開発も注目を集めています。

線路の高架工事、地下鉄化なども利便性が上がるため、街が活気づく傾向にあります。高架線の下にツタヤなどのお店が開店した「中目黒駅」や「学芸大学駅」、小田急線の地下鉄化が進む「下北沢駅」などがあります。

ぜひ内見の際は駅前を散策してみてください。

マンション構造

マンションの構造も資産価値を左右します。

居住価値のリノベーションの項目でも構造について触れましたが、構造や建物更新工事のしやすさによってマンションの寿命や修繕費用も変わってきます。マンションの「耐久性」と「更新性」については、少し掘り下げて触れていきたいと思います。

耐久性

耐久性のあるマンションとはマンションの耐久性というと、「免震」「制震」「耐震」などの耐震性をよく聞くと思います。

地震に対して強い構造の建物は資産価値としても安心ですが、すべての建物に適応されるわけではありません。

まずは「新耐震基準」あるいは「耐震補強工事済み」の2点を重視してみてください。この選択肢を入れることによってグッと物件の幅が広がります。

また、外壁の劣化も耐久性に影響してきます。コンクリートは新築時より徐々に水分を放出し、日差しや雨風を受けて劣化していきます。劣化したコンクリート内部にある鉄筋や鉄骨が錆びていくことが耐久性に影響するのです。

マンションの外壁は、「タイル貼り」と「吹付(塗装)」の2種類がありますが、コンクリートを守るという点でタイル貼りの方が耐久性は高いと言われています。それ以外にも100年耐久コンクリートなどもあるため、仲介会社に確認するか、新築分譲時のパンフレットを見せてもらうとよいでしょう。

更新性

マンションの更新性とは「設備の点検・交換」のしやすさになります。例えば、構造躯体の中に共用配管・給水管が埋まっていて工事に莫大な費用を要す、また配管が共用廊下に露出になり景観を損なうなどのケースがあります。

エレベーターに関しても、新築時と現在のエレベーターのサイズや工法が違うといった理由で、工事に数か月の期間と高い費用がかかることがあります。これらは比較的築年数の古いマンションに見られる傾向です。

築年数の古いマンションの購入を検討する際は建物の修繕履歴や修繕積立金総額などをしっかり確認し、ある程度設備交換が済んでいるのか、これから着手しなければならない箇所がどこなのかを把握することが必要です。

管理

管理は、「マンションは管理で選べ」と言われるほど大切な項目です。構造や更新性の箇所でも触れていますが、「管理体制がマンションの寿命に直結する」と言っても過言ではなく、資産価値にも大きな影響を及ぼします。

管理体制の良し悪しを判断するためには「重要事項調査報告書」と「長期修繕計画」を必ず確認してください。

「重要事項調査報告書」には管理形態や管理会社、現在の積立金総額、過去の修繕履歴、管理組合の借入金の有無、管理費・修繕積立金の滞納額など、管理に関する重要な項目がほとんど記載されています。

「長期修繕計画」も併せて確認することで、これから先どれくらいの周期でどんな修繕をするのか、修繕積立金は現在のままで足りるのかといった見通しが把握できます。これは不動産会社にお願いすればすぐに確認できる書類なので、気になったマンションがあった場合は必ず閲覧することをおススメします。

修繕積立金は少しずつ上がっていく

なお長期修繕計画には、今後の修繕積立金の値上がりの幅が記載されていることがあります。修繕積立金は新築時には極めて安く設定してあり、徐々に値段が上がっていくものです。資産価値を高く保つために必須の修繕積立金ですが、将来的に支払いに無理が生じないか確認する必要があるでしょう。

出来れば総会議事録もチェック

また公開されているマンションは少ないものの、出来れば管理組合の総会議事録も確認したいところです。総会議事録とは、マンションで年に一回行われている話し合い(総会)の記録を残したもの。この記録を見れば、マンションでどのような運営を行われているか、何かトラブルがないかは、一目瞭然です。マンション見学の際に、総会議事録を見せてくれるマンションは全体の1割程度ですが、閲覧が可能であれば確認しておいた方が良いでしょう。

中古マンション選びの極意

今回ご説明した資産価値と居住価値は、中には背反するものもあります。すべての条件を満たせれば最高ですが、中々そうもいかないのが実情です。

理想のマンション購入を行うため、流れの中でまずやっていただきたいのは、予算を決めると共に「家族にとっての優先順位を決める」ということです。

資産価値だけを考えて家探しをすることも出来ませんし、居住価値だけを考えて家探しをすると後から後悔することになりかねません。夫婦や家族間で良く話し合い「自分達にとって外せない条件」をあらかじめ絞り込んでおくことが重要です。

特にこれからは、中古マンションの人気が高まり、良いマンションほどすぐに無くなってしまいます。理想の家を見つけ、確実に手に入れるためにも、優先順位を明確化し、スピーディーに意思決定することが重要です。

おすすめの中古マンション

3LDKで70㎡程度のお部屋でおすすめの中古マンションを5つピックアップしました。重厚感のある外観と、お子様がいることを考えて、安心感のあるエリアかつ利便性を重視しました。

アトラスタワー茗荷谷

  • 丸の内線 「茗荷谷」駅 徒歩1分
  • 有楽町線 「護国寺」「江戸川橋」駅 徒歩16分
総戸数 244戸
階建 25階建
築年月 2011年10月
分譲 旭化成ホームズ
施工 鹿島建設

丸の内線は、池袋や大手町・東京・銀座・霞が関・新宿と都心の主要部へダイレクトにアクセスできるので、通勤に便利な路線です。区立教育の森公園も駅徒歩1分のところにあり、公園内には文教スポーツセンターがあります。また、徒歩圏内に小石川植物園・播磨坂などがあり、文京区でも緑の多いエリアです。お子様の学校に関しても、このエリアは文教地区であり、人気の窪町小学校の学区です。また、筑波大学附属小学校・お茶の水女子大付属小学校・東京学芸大学附属竹早小学校も徒歩圏で通学が可能です。

アトラスタワー茗荷谷は、直方体の堂々とした外観で、茗荷谷のシンボルタワーとなっています。マンション1階にはスーパーやカフェ、2階には内科・小児科・歯科医院がテナントとして入っています。また、コンシェルジュサービス・コミュニティルームなど大規模マンションならではの共用施設も揃っています。

プラウド小石川

  • 丸の内線「茗荷谷」駅 徒歩4分
  • 有楽町線「護国寺」駅 徒歩5分
  • 都営三田線「千石」駅 徒歩15分
総戸数 64戸
階建 13階建
築年月 2011年12月
分譲 野村不動産
施工 鹿島建設

このエリアは、3路線利用できるので大変便利なエリアです。アトラスタワー茗荷谷と同様、文教地区でもあります。

マンションの正面には、江戸三大庭園の一つ、占春園があるのもおすすめのポイントです。外壁には1年半もの期間をかけて製作されたタイルが使われているため、重厚感のあるマンションです。車寄せ空間にもウェイティングスペースが設けられ、雨や寒いときに車を待つ時間に便利です。

プラウド駒場

京王井の頭線 「駒場東大前」駅 徒歩5分
東急田園都市線 「池尻大橋」駅 徒歩12分
渋谷行きバス停「駒場」まで徒歩1分

総戸数 223戸
階建 9階建
築年月 2012年7月
分譲 野村不動産
トヨタホーム
施工 前田建設工業

中庭を囲む3棟構成で外周や中庭には7つの杜を配しているため、緑豊かなマンションです。3層吹き抜けの美しいエントランスホールやロビーは、印象に残ります。大規模マンションならではの、オーナーズラウンジ・パーティルーム・ゲストルームがあります。パーティルームにご友人を呼んだり、ゲストルームにご両親を泊められたり出来るので、子育て世帯にとって便利です。また、全戸分のトランクルームが設置されているので、お部屋の整理整頓に有効です。クリーニングサービスや宅配の食品を不在時でも受け取れる食配ラボサービスも、共働き世帯にとっては効率的です。

ここに挙げた以外にも武蔵小山周辺や自由が丘・奥沢周辺は、利便性もよく子供を育てる環境としてもおすすめのエリアです。働きながらの子育ての場合、どうしても効率的に生活することを重視しがちではありますが、ご家族みんなが安心して暮らすことの出来る環境かどうか、想像しながらエリアやマンションを見てみてください。きっと納得のいくマンション探しが出来るはずです。

まとめ

今回は「居住価値」「資産価値」という2つの価値について説明しました。

ここで話したことに専門的な知識は必要ありません。不動産会社や自身の目で確認すればわかることばかりなので、面倒だなと思ってももうひと手間加えてみてください。

そのひと手間が大きな金額を支払って所有するあなたの大切な資産の「価値」に直結するのです。

「住んでよし」「所有してよし」の納得の住まいを見つけましょう!

マンションジャーナル