お子さんが小学6年生の場合、いよいよ受験勉強も本番モードというご家庭もあるでしょう。受験に向けた準備は、親だけではなく、もちろん勉強をする本人にも大きな負担になるものです。

その中で、疲れ切った子供が「中学受験ってこんなに頑張る意味があるの」と聞いてくることもあるでしょう。そうしたときの答えとして、どんな選択肢があるのかを今回は考えてみましょう。

その1:自分が知らない・好奇心を刺激してくれる友人に会えるよ

地元で公立校に通う場合は、幼馴染みや小学校の友達が多い環境になるでしょう。一方、中学受験をし、国立や私立の中学に進学すれば、様々な地域から集まった生徒と出会うことになります。寄宿舎のあるような中学では全国から生徒がやってくるのでなおさらです。

こうした経験は地元の学校では体験できないことでしょう。好奇心がある子供には、この回答はモチベーションアップになることがあります。ただし、友達付き合いが得意でないと考えている子供にはあまり刺さらない回答かもしれません。

その場合、次のような回答はどうでしょうか。

その2:将来の選択肢が増えるよ

子供よって興味対象はそれぞれです。スポーツで体を動かすのが好きな場合もあれば、いわゆる文科系の趣味を持っていることもあるでしょう。

小学生時代、習い事でそうした好きなことをやっている子供も少なくないと思いますが、中学になると部活動も本格的になってきます。私立の場合、部活動が高い評価を得ている学校もありますが、もしそうした部活動と本人の趣味や興味が重なれば言うことはありません。

また、進学した学校次第ではありますが、中学受験は希望の大学に進学するための準備期間とも言えます。それに加えて、卒業生のネットワークを手にすることができるという側面もあります。

子供に卒業後のネットワークの重要性はあまりピンとこないかもしれませんが、ご自身の体験も踏まえて話し合うのにはよいきっかけかもしれません。

中高一貫の私立中学に進学を希望する場合、目先は志望する大学に合格することが目標となりますが、いまや日本の大学に進学することだけが選択肢ではありません。

インターナショナルスクールではないのにもかかわらず、海外の大学に進学する生徒の実績がある学校の場合には、まさに子供の海外経験の機会という可能性が広がっていると言えます。

その3:大学受験で結果が出ればいいよ

この回答はやや逃げ腰のように聞こえるかもしれませんが、実際のところ、社会に出てから出身中学や高校を聞かれる機会はそうないと言ってよいでしょう。

出身大学は就職活動などではほとんどのケースで聞かれるものですが、中学のことまではまず聞かれることはないと思います。もっとも、履歴書には記載することが多いのですが、こちらもあまり突っ込まれることはないでしょう。

であれば、なにも中学受験で結果が出なくとも、大学受験で結果が出て、自分の選択肢を絞っていければそれでよいのではないでしょうか。

最後に

ここまで様々な切り口で見てきましたが、実は中学受験で進学することのマイナス面もあります。それは、家庭環境や学力といった面で、ややもすれば同質の生徒が集まりやすいということです。

進学させたい親からすれば、そうした同質性を求めているのだ、という声もありそうですが、今や多様性を苦労してでも手に入れようというのが世界の動きです。そうした観点に立てば、子供の中学受験する意味ってあるの?という質問は本質的な問いかけにも見えてきます。

ーあなたの周りで有名私立に進学して幸せになっている人はどれくらいますかー

LIMO編集部