2024年4月12日、日本銀行が発表した「「生活意識に関するアンケート調査」(第97回<2024年3月調査>)の結果」によると、現在の暮らし向きについて1年前と比べて「ゆとりがなくなってきた」と回答した方は49.5%でした。
前回調査(2023年12月)では56.2%がゆとりがなくなってきたと回答しており、3ヶ月間で暮らし向きがやや改善していることが分かりました。
しかし、2024年度に入り食品や生活必需品の値上げが行われ、5月には電気代・ガス代の政府支援策が同月使用分をもって終了となります。
やや改善してきた暮らし向きは、また落ち込むかもしれません。
こうした中、家計や気持ちを支えるのが「貯蓄」ではないでしょうか。
備えが十分であれば安心して日々を過ごすことができます。本記事では、多くの世帯が年金生活を開始していると考えられる70歳代の貯蓄事情を覗いていきます。
老後生活を支える「国民年金」や「厚生年金」の年金月額についても一覧表でご紹介していきますので参考にご確認ください。
1. 【70歳代夫婦】平均貯蓄額は1757万円・中央値は700万円
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円、より実態に近い中央値となると700万円まで下がります。
貯蓄額階層別の世帯割合を見ていくと、3000万円以上を有する人が19.7%で最多となっています。
一方で、19.2%が貯蓄ゼロという結果に。
70歳代ともなれば、すでに貯蓄の取り崩しが進んでいる世帯もあるでしょう。
しかし十分な貯蓄を確保できないまま老後を迎えた人も少なくないと考えられます。
貯蓄が少ない世帯は、年金収入だけで生活費をカバーできているのかもしれません。
では、すでに年金暮らしを送るシニア世代は、公的年金を月いくら受給しているのでしょうか。次章でチェックしていきます。