2. 【厚生年金と国民年金】平均月額はいくら?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、シニア世代の平均的な年金額を見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
2.2 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台でした。
上記はあくまでも平均です。年金額は個人差があるものですので、平均月額を上回る人、下回る人もいます。
特に厚生年金は個人差が大きいことをおさえておきましょう。
自分が将来受け取る見込年金額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」に記載されていますので、一度チェックしておきましょう。
3. 年金だけで生活できる世帯は44%だけ!
厚生労働省が公表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金収入だけで生活している人は、全体の44%と半数にも満たない結果となっています。
6割弱の高齢者が、不足する分を貯蓄の取り崩しや就労所得で補っている様子がうかがえます。
少子高齢化が進行していることを鑑みると、年金の給付水準がいまより上がるとは考えづらいです。
「将来、年金だけで生活できないかもしれない」を前提とし、セカンドライフを迎える前にご自身が安心できる老後資金を確保したいものです。
4. まとめにかえて
本記事では、70歳代の貯蓄事情とシニアの年金事情を確認しました。
公的年金が少なければ貯蓄は必須です。
公的年金が少なくなくても、インフレや不測の事態に備えて貯蓄を確保しておきたいものですね。
先述したとおり、まずは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で年金見込額を確認してみてください。
そして、いまの支出額から老後の生活費を想定し、年金収入だけでやりくりできるのか、いくら不足するのか、を把握して老後資金づくりを進めていきましょう。
参考資料
- 日本銀行「「生活意識に関するアンケート調査」(第97回<2024年3月調査>)の結果」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省 2022(令和4)年「国民生活基礎調査の概況」
和田 直子