2024年度の公的年金は前年度比+2.7%。2年連続の増額改定となります。
公的年金は偶数月の15日(土日祝日の場合は直前の平日)に前々月・前月の2ヶ月分がまとめて支給されるため、増額改定された年金の初回支給は6月14日(金)です。
増えた年金を受け取るのを心待ちにしている方もいることでしょう。
しかし、4月からは2806品目の食品が値上げ、5月には電気代・ガス代の支援策が同月使用分を最後に終了となるため、これから消費支出が増えると考えられます。
せっかく増える年金も、物価上昇にかき消されてしまうのです。
モノやサービスの値上がりが容赦なく続く中、老齢年金世代は年金を月額いくら受け取っているのでしょうか。
本記事では、2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
年金事情を眺めながら、老後対策として「何をすべきか?」を考えていきましょう。
1. 公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組みをおさらい
日本の公的年金制度は「国民皆年金」であり、20歳以上の全ての人が加入する「国民年金」と、会社員などが加入する「厚生年金」による「2階建て」の構造になっています。
公的年金制度については詳しく学ぶ機会があまりないため、仕組みがよくわからないまま毎月の保険料を納めている人も少なくないでしょう。
そのため、簡単に公的年金制度の仕組みをおさらいしておきます。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに改定あり)
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
上記のとおり、現役時代の働き方によって加入する年金が異なります。
では、今のシニア世代は年金をどれくらい受給しているのでしょうか。
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢別の平均年金月額を確認しましょう。