最近、FPや社会保険労務士に対して住民税非課税世帯に関する相談が増えているという話を耳にしました。
住民税非課税世帯は社会保障関連の費用の軽減や自治体から様々な支援を受けることができます。
特に、昨今の物価上昇に伴いモノやサービスの価格が上昇し続けている中で、「現金給付」は貴重な支援といえるでしょう。
現在、住民税非課税世帯への「現金7万円給付」が進められています。すでに申請受付を終了している自治体もありますが、4月末、5月末をもって申請を締め切る自治体が多いようです。
そこで本記事では、住民税非課税世帯への「現金7万円給付」の対象となる世帯や内容、申請手続きについて解説します。
対象であるにも関わらず、まだ現金給付を受けていない世帯は、いま一度確認しておきましょう。
記事の最後には「年代別の全世帯における住民税非課税世帯の割合」を掲載していますので、参考としてご確認ください。
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1. 「住民税非課税世帯」とは?
住民税非課税世帯は、一般的に所得が低い世帯を指します。
生計を一にする世帯全員の所得が一定額に満たない場合、住民税は課税されず「住民税非課税世帯」となります。
なお、住民税には「所得割」と「均等割」の2種類がありますが、この両方が課税されない場合に「住民税非課税世帯」となります。
住民税非課税世帯の要件は以下のとおりです。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
- 前年の合計所得金額が、自治体ごとの基準より少ない方
要件の3つ目、「前年の合計所得金額が、自治体ごとの基準より少ない方」は、各自治体によって異なるため、詳しく知りたい場合はお住まいの自治体ホームページをご確認ください。
先述しましたが、住民税非課税世帯は世帯全員が低所得であることが条件となっています。
仮に世帯の中に1人でも課税所得者がいる場合、住民税非課税世帯の対象外となるため、あわせて覚えておきましょう。
1.1 住民税非課税世帯の年収目安
住民税非課税世帯の要件の1つに「前年の合計所得金額が、自治体ごとの基準より少ない」とあります。
では、具体的な年収目安はどのくらいなのでしょうか。
自治体によって異なりますので、一例として東京23区内の所得目安を見てみます。
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
ここまで住民税非課税世帯の対象となる世帯や年収の目安について確認してきました。
基準日において住民税非課税世帯に該当する場合、現金7万円の給付金を受け取ることができます。
現金7万円については、申請不要ですでに受給済みの世帯もあるでしょう。
しかし、申請が必要な世帯もあります。
次章で、申請が必要となる世帯のフローを確認していきましょう。