LIMOが2023年下期にお届けした記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2023年07月13日)

令和5年4月27日に総理大臣官邸で、第69回男女共同参画会議が開催されました。

男女共同参画会議で議論されることは、簡単にいうと男女ともに平等に活躍する社会についてです。

日本は世界的に見ても女性の社会進出が遅れています。諸外国であれば、女性の大統領が誕生していますが、日本のトップは男性が続いています。

また、女性は妊娠・出産などで働き方を変えざるを得ないケースも多々あるでしょう。このような背景もあり、これまで男女平等に活躍できる機会が少なかったように感じます。

しかし、現役時代の収入は、公務員やサラリーマンが将来受給する「厚生年金」に大きく影響することも含め、「働き方」は平等であるべきでしょう。

本記事では、いまのシニア女性に焦点をあて、公的年金をどれくらい受け取っているかを最新の資料で確認していきたいと思います。

1.「国民年金・厚生年金」2階建ての年金のしくみ

年金の受給額を確認する前に、「国民年金」および「厚生年金」の仕組みについて確認しておきましょう。

日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の二つの年金制度で構成されており、「2階建て構造」などと言われています。

日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の二つの年金制度で構成

日本の公的年金制度

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1階部分にあたる「国民年金」は、日本に住む20~60歳未満のすべての方が加入するものです。

2階部分にあたる「厚生年金」は、会社員や公務員などが加入します。

同じ年金制度ではありますが、年金保険料が一律の国民年金に対して、厚生年金の保険料は報酬によって算出されます。上限はあるものの、年収が高ければ高いほど納める年金保険料も高くなる仕組みです。

そして、冒頭で少し触れたように現役時代に納めた保険料と加入期間により将来受け取る厚生年金の受給額が決定します。現役時代の年収が高く、加入期間が長ければ将来受け取れる年金の受給額も増えます。

2. 老後の生活費

老後の収入を見る前に、生活費について確認しておきましょう。

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上・無職単身世帯のひと月あたりの消費支出は「14万3139円」、65歳以上・無職夫婦のみ世帯は「23万6696円」です。

老後の生活費について

老後の生活費

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」

今回は、配偶者の年金収入を考慮せず、女性がひとりで受給できる厚生年金について見ていくので、65歳以上・無職単身世帯の消費支出「14万3139円」を上回る最低ラインの「15万円」を目安にしていきます。