内閣府は2024年3月15日、「生活設計と年金に関する世論調査」を公表しました。

自身が将来公的年金をいくら受け取れるのかについて考えたことがあるか、既に年金を受け取っている場合は、これから年金をいくら受け取れるのかについて考えたことがあるか聞いたところ、下記の通りとなりました。

  • 「考えたことがある」70.2%
  • 「考えたことがない」27.2%

性別に見ると、「考えたことがある」と答えた人の割合は女性で、「考えたことがない」と答えた人の割合は男性で、それぞれ高くなっています。

「人生100年時代」とも呼ばれる今日、長期にわたる老後生活を、公的年金のみで賄うのは現実的ではありません。年金の支給額を把握したうえで、必要な資金を補うために早めに準備を進めることが大切です。

この記事では、厚生労働省が2023年12月に公表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、最新の厚生年金と国民年金の受給額を詳細に分析していきます。

1. 厚生年金と国民年金とは?公的年金の仕組み

日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建てになっています。

【図解】日本の公的年金制度2/11

日本の公的年金制度

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 国民年金(1階部分)

  • 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
  • 保険料は一律
  • 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 公務員やサラリーマンなどが加入する
  • 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
  • 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる

個人によって加入する年金や納付期間が異なるため、将来の年金受給額には個人差があります。

特に厚生年金は年収に応じた保険料を支払うため、より個人差が大きくなっています。

2. 【カレンダー】2024年の年金支給日はいつか?

公的年金は2ヶ月に1度、偶数月の15日が支給日となります。

支給日が、土日・祝祭日の場合は直前の平日となります。

2.1 年金支給日:支給対象月

  • 2024年2月15日(木):2023年12月分・2024年1月分
  • 2024年4月15日(月):2024年2月分・2024年3月分
  • 2024年6月14日(金):2024年4月分・2024年5月分
  • 2024年8月15日(木):2024年6月分・2024年7月分
  • 2024年10月15日(火):2024年8月分・2024年9月分
  • 2024年12月13日(金):2024年10月分・2024年11月分

しっかりチェックしておきましょう。

3. 【年金一覧表】「厚生年金」60歳~90歳以上の年金月額は平均でいくら?

ここからは、今のシニアの年金受給額の実態を見ていきましょう。

厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、平均年金月額を年齢別にチェックしていきます。

※以下の厚生年金は、すべて国民年金部分を含んでいます。

3.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)

【厚生年金の一覧表】60歳代の受給権者数と平均年金月額3/11

【厚生年金の一覧表】60歳代の受給権者数と平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:厚生年金9万4853円
  • 61歳:厚生年金9万1675円
  • 62歳:厚生年金6万1942円
  • 63歳:厚生年金6万4514円
  • 64歳:厚生年金7万9536円
  • 65歳:厚生年金14万3504円
  • 66歳:厚生年金14万6891円
  • 67歳:厚生年金14万5757円
  • 68歳:厚生年金14万3898円
  • 69歳:厚生年金14万1881円

3.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)

【厚生年金の一覧表】70歳代の受給権者数と平均年金月額4/11

【厚生年金】70歳代の受給権者数・平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:厚生年金14万1350円
  • 71歳:厚生年金14万212円
  • 72歳:厚生年金14万2013円
  • 73歳:厚生年金14万5203円
  • 74歳:厚生年金14万4865円
  • 75歳:厚生年金14万4523円
  • 76歳:厚生年金14万4407円
  • 77歳:厚生年金14万6518円
  • 78歳:厚生年金14万7166円
  • 79歳:厚生年金14万8877円

3.3 厚生年金の平均月額(80歳~89歳)

【厚生年金の一覧表】80歳代の受給権者数と平均年金月額5/11

【厚生年金】80歳代の受給権者数・平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:厚生年金15万1109円
  • 81歳:厚生年金15万3337円
  • 82歳:厚生年金15万5885円
  • 83歳:厚生年金15万7324円
  • 84歳:厚生年金15万8939円
  • 85歳:厚生年金15万9289円
  • 86歳:厚生年金15万9900円
  • 87歳:厚生年金16万732円
  • 88歳:厚生年金16万535円
  • 89歳:厚生年金15万9453円

3.4 厚生年金の平均月額(90歳以上)

【厚生年金の一覧表】90歳代の受給権者数と平均年金月額6/11

【厚生年金】90歳代の受給権者数・平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 90歳以上:厚生年金15万8753円

通常の年金受給開始年齢である65歳以降の平均年金は、14万~16万円程度です。

全年齢を対象にした平均月額は14万3973円ですが、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため(上限あり)、個人差が大きいという特徴があります。

4. 【年金一覧表】「国民年金」60歳~90歳以上の年金月額は平均でいくら?

ここからは、国民年金の実態についても同様に見ていきましょう。

4.1 国民年金の平均月額(60歳~69歳)

【国民年金の一覧表】60歳代の受給権者数と平均年金月額7/11

【国民年金】60歳代の受給権者数・平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:国民年金4万2616円
  • 61歳:国民年金4万420円
  • 62歳:国民年金4万2513円
  • 63歳:国民年金4万3711円
  • 64歳:国民年金4万4352
  • 65歳:国民年金5万8070円
  • 66歳:国民年金5万8012円
  • 67歳:国民年金5万7924円
  • 68歳:国民年金5万7722円
  • 69歳:国民年金5万7515円

4.2 国民年金の平均月額(70歳~79歳)

【国民年金の一覧表】70歳代の受給権者数と平均年金月額8/11

【国民年金】70歳代の受給権者数・平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:国民年金5万7320円
  • 71歳:国民年金5万7294円
  • 72歳:国民年金5万7092円
  • 73歳:国民年金5万6945円
  • 74歳:国民年金5万6852円
  • 75歳:国民年金5万6659円
  • 76歳:国民年金5万6453円
  • 77歳:国民年金5万6017円
  • 78歳:国民年金5万5981円
  • 79歳:国民年金5万5652円

4.3 国民年金の平均月額(80歳~89歳)

【国民年金の一覧表】80歳代の受給権者数と平均年金月額9/11

【国民年金】80歳代の受給権者数・平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:国民年金5万5413円
  • 81歳:国民年金5万5283円
  • 82歳:国民年金5万7003円
  • 83歳:国民年金5万6779円
  • 84歳:国民年金5万6605円
  • 85歳:国民年金5万6609円
  • 86歳:国民年金5万6179円
  • 87歳:国民年金5万6030円
  • 88歳:国民年金5万5763円
  • 89歳:国民年金5万5312円

4.4 国民年金の平均月額(90歳以上)

【国民年金の一覧表】90歳代の受給権者数と平均年金月額10/11

【国民年金】90歳代の受給権者数・平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 90歳以上:国民年金5万1974円

65歳以上の年齢層で見ると、国民年金の平均月額は約5万円台になります。

国民年金は全ての人が同じ保険料を支払うため、基本的には受給額に大きな差は出にくい構造となっています。

5. 「厚生年金」平均年金月額を都道府県別でチェック【年金一覧表】

厚生年金の受給額について、都道府県別に見ていきましょう。

  • 北海道:13万5428円
  • 青森県:12万2134円
  • 岩手県:12万6451円
  • 宮城県:13万8832円
  • 秋田県:12万3060円
  • 山形県:12万4586円
  • 福島県:13万101円
  • 茨城県:14万6466円
  • 栃木県:14万2763円
  • 群馬県:14万2216円
  • 埼玉県:15万5412円
  • 千葉県:15万8918円
  • 東京都:15万7478円
  • 神奈川県:16万4088円
  • 新潟県:13万2192円
  • 富山県:13万8275円
  • 石川県:13万5622円
  • 福井県:13万4001円
  • 山梨県:13万8308円
  • 長野県:13万8241円
  • 岐阜県:14万3622円
  • 静岡県:14万5456円
  • 愛知県:15万4191円
  • 三重県:14万5528円
  • 滋賀県:14万8134円
  • 京都府:14万5774円
  • 大阪府:15万477円
  • 兵庫県:15万3197円
  • 奈良県:15万6630円
  • 和歌山県:14万488円
  • 鳥取県:12万7492円
  • 島根県:12万7668円
  • 岡山県:14万72円
  • 広島県:14万4695円
  • 山口県:14万2309円 
  • 徳島県:12万7933円
  • 香川県:13万7904円
  • 愛媛県:13万4239円
  • 高知県:12万6353円
  • 福岡県:13万9693円 
  • 佐賀県:12万8083円
  • 長崎県:13万1373円
  • 熊本県:12万6583円
  • 大分県:13万537円
  • 宮崎県:12万3237円
  • 鹿児島県:12万7243円
  • 沖縄県:12万3459円
  • その他:12万7726円

厚生年金は、都道府県ごとによって金額に差があることがわかります。

厚生年金では年収が高い人や長期間にわたって加入している人ほど、より多くの厚生年金を受給できる傾向があります。

また、都道府県ごとの賃金水準には差があり、一般的に都市部の方が高い傾向があることも影響していると考えられるでしょう。

このほか、自営業の割合や共働きの割合も地域ごとに異なることも受給額の差の一因かもしれません。

6. 「国民年金」平均年金月額を都道府県別でチェック【年金一覧表】

ここからは、国民年金の受給額について、都道府県別に見ていきましょう。

  • 北海道:5万5469円
  • 青森県:5万4031円
  • 岩手県:5万7468円
  • 宮城県:5万6337円
  • 秋田県:5万5909円
  • 山形県:5万7533円
  • 福島県:5万6719円
  • 茨城県:5万6260円
  • 栃木県:5万6406円
  • 群馬県:5万7479円
  • 埼玉県:5万5959円
  • 千葉県:5万6302円
  • 東京都:5万5326円
  • 神奈川県:5万6332円
  • 新潟県:5万8735円
  • 富山県:5万9940円
  • 石川県:5万8898円
  • 福井県:5万9250円
  • 山梨県:5万6122円
  • 長野県:5万8965円
  • 岐阜県:5万8222円
  • 静岡県:5万8102円
  • 愛知県:5万7008円
  • 三重県:5万8407円
  • 滋賀県:5万8157円
  • 京都府:5万5314円
  • 大阪府:5万4259円
  • 兵庫県:5万6207円
  • 奈良県:5万5972円
  • 和歌山県:5万4789円
  • 鳥取県:5万8501円
  • 島根県:5万9211円
  • 岡山県:5万8672円
  • 広島県:5万8053円
  • 山口県:5万8166円
  • 徳島県:5万5837円
  • 香川県:5万8804円
  • 愛媛県:5万6793円
  • 高知県:5万5055円
  • 福岡県:5万5395円
  • 佐賀県:5万8079円
  • 長崎県:5万5603円
  • 熊本県:5万6886円
  • 大分県:5万5419円
  • 宮崎県:5万6356円
  • 鹿児島県:5万6723円
  • 沖縄県:5万1864円
  • その他:2万9316円

厚生年金とよりも個人差がないことがわかります。

7. 「全面的に公的年金に頼る」26.3%に

老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ11/11

図表:老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ

出所:内閣府「生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)」

老後の生活設計の中で、公的年金をどのように位置づけているか聞いたところ、下記の通りとなりました。

  • 「全面的に公的年金に頼る」26.3%
  • 「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」53.8%
  • 「公的年金にはなるべく頼らず、できるだけ個人年金や貯蓄などを中心に考える」11.7%、
  • 「公的年金には全く頼らない」1.6%

性別に見ると、「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」と答えた人の割合は女性で、「公的年金にはなるべく頼らず、できるだけ個人年金や貯蓄などを中心に考える」と答えた人の割合は男性で、それぞれ高くなっています。

また年齢別に見ると、「全面的に公的年金に頼る」と答えた人の割合は70歳以上で、「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」と答えた人の割合は40歳代から60歳代となりました。

「公的年金にはなるべく頼らず、できるだけ個人年金や貯蓄などを中心に考える」と答えた人の割合は18~29歳から40歳代で、それぞれ高くなっています。世代によって年金への考え方が異なることがわかります。

40歳や50歳になると、多くの人々が将来の老後資金について関心を抱くでしょう。

しかしながら、具体的な年金受給額が分からないという人もいます。

老後の資金を確保するためには、まず初めに自身の年金受給額を把握することが大切です。

8. 「NISAやiDeCo」老後資金対策の選択肢

今回の記事で、個々の年金受給額に大きな差があることが今回の調査から明らかになりました。

将来的には年金だけで生活するのは難しいと感じる方も多いかもしれません。

さらに、将来の年金額が減少する可能性もあるため、早めに老後の資金対策を考えることが肝要です。

その対策として、政府のNISAやiDeCoなどを活用することも一案です。ただし、資産運用にはリスクが伴います。将来を見据えながら、慎重に対策を練っていきましょう。

参考資料