2. 「年金振込通知書」で確認すべき事項
年金の天引き事情は「年金振込通知書」を確認すれば、何からどのくらい差し引かれているかが分かるようになっています。
年金振込通知書の確認すべき項目は下記のとおりです。
- 年金支払額(天引き前の額面の金額)
- 介護保険料額
- 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)※
- 所得税額および復興特別所得税額
- 個人住民税額
- 控除後振込額(天引き後の手取り額)
※天引き対象でない場合は記載されていません
「年金支払額」は天引き前の額面の金額であり、年金は2ヶ月分まとめて支給となるため、2ヶ月分の合計金額が記載されています。
一方で「控除後振込額」は、天引き後の手取り額の金額であり、介護保険料や個人住民税といった社会保険料・税金が差し引かれた状態の金額が記載されています。
基本的には、額面の金額よりも実際に振り込まれる手取り額のほうが少ないケースがほとんどです。
手取り額をみてガッカリしないように、事前に「年金振込通知書」で天引き内容を確認しておけると良いでしょう。
では実際、年金からどのくらいの税金や社会保険料が天引きされるのでしょうか。
次章にて、具体的な金額を紹介していきます。
3. 年金から天引きされる税金・社会保険料はどのくらい?
最後に、年金から天引きされる税金・社会保険料の金額を見ていきましょう。
天引きされる金額は、各世帯によって個人差がありますが、参考までに総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身・夫婦のみの無職世帯の家計収支は下記のようになっています。
単身世帯・夫婦のみの世帯ともに、天引き額は収入の10%〜15%ほどとなっています。
上記の家計収支を参考に、老後生活で「実際に使える金額」と「生活費」をシミュレーションし、不足分はどのくらいになるかを考えておけると良いでしょう。
4. 老後資金計画は早いうちから立てておこう
本記事では、「年金の天引き事情」と「年金振込通知書で確認すべき項目」について詳しく紹介していきました。
額面の金額と天引き額では、数万円の違いが生じるケースも大いにあるため、しっかりと「自分が将来受け取れる天引き後の金額」も把握しておけると良いです。
シミュレーションをしたうえで「老後に年金だけでは足りない」と感じた場合は、今のうちから老後資金計画を立て、コツコツと準備をしておけると安心した老後生活につながるでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「通知書の見方を調べる」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
太田 彩子