厚生労働省の「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2024年度の国民年金と厚生年金それぞれの年金額の例は下記のようになりました。
- 国民年金(満額):6万8000円(1人分)
- 厚生年金(国民年金を含む):23万483円(夫婦2人分の国民年金を含む標準的な年金額)
厚生年金の場合、要件を満たしていれば夫婦で23万483円が受給できるため、「意外と多くもらえる」と思った方もいるかもしれません。
改定後の年金が受け取れるのは2024年6月14日から。
しかし実際の振込額をみると、額面と手取り額の違いに愕然とする人も多いでしょう。
なぜ年金は「額面と手取り額」で違いが生じるのでしょうか。
本記事では、「年金の天引き事情」と「年金振込通知書で確認すべき項目」について詳しく紹介していきます。
記事後半では「具体的にどのくらい年金から天引きされるのか」についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. そもそも「年金振込通知書」とは?
年金振込通知書とは、日本年金機構から送付されるもので、年金支払額や振込予定額などが記載されています。
年金振込通知書は、年金受給をすでにしている方向けに毎年「6月頃」に送付されています。
また、年金振込額や受取金融機関などに変更があった場合や、年金振込通知書を紛失し再送の手続きをした場合は、原則振込月の上旬に送付されます。
なお、まだ年金受給が開始されていない方の場合は、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」を確認すると良いです。
留意点として、ねんきん定期便に記載されている金額はあくまで「額面の金額(見込額)」であり、実際の振込額とは異なるため覚えておきましょう。
1.1 なぜ年金の額面と手取り額がこんなに違うの?
公的年金である国民年金や厚生年金は「収入」にあたるため、現役時代の給与と同じように、年金から税金や社会保険料が天引きされます。
つまり、額面の金額は「天引き前」であり、手取り額は「天引き後」であることから、金額に違いが生じるのです。
では具体的に、年金から何が天引きされているのでしょうか。
次章にて「年金振込通知書」の確認すべき項目から、天引き内容をチェックしていきましょう。