お金を増やすことが上手な人は、自分のお金の使い方や使い道を考えるときに「引き算」で考えます。自分の月収から、毎月貯めたい金額をまず差し引き、家賃や水道・光熱費、保険料など必要最低限の固定支出を差し引きます。ローンや奨学金の返済などがあれば、それも先に差し引いて考え、残った金額から自分が自由に使えるお金を割り出します。

しかし、増えない人は足し算でお金のことを考えがち。たとえば「交際費が1万円じゃ足りない。食費を5000円浮かせて交際費に足して1万5000円にしよう」という感じですね。

確かに、食費を節約して浮かせることはできるかもしれません。しかし、食費を削るのもかなりの我慢が必要になります。金額が大きければ大きいほど負担が大きくなりますし、万が一浮かなければ単純に出費の増加になってしまいます。

特に「3万円の食費から5000円削って、2万5000円でもやっていけるだろう」などと安易に考えてはいけません。食費を削ること自体大変なのに。1/6を削るなんてかなり大変ですよね。こうした、金額だけを見て適当にアタリをつけることもよくないですし、全体を見てその金額の妥当性を探らないことも非常に危険です。

趣味や好きなことにお金を使いたい気持ちもわかりますが、安易に「節約できそう」「いくらくらい削れそう」ということは考えないようにしましょう。もし本当に、「5000円分食費を削って、削った分を交際費に付け替えたい」ということであれば、それを一度試してみる必要があります。1カ月、そのプランを想定して生活してみて、本当にうまくいくようであれば金額を修正してもいいでしょう。

増える人は「計画出費」、増えない人は「急な出費」

お金が貯まりやすい人は、お金の使い方がうまい人です。それはどういうことかといえば、支出に関するめどが立っていて計画的にお金を使っているということです。毎週、毎月、毎年のスケジュールやまとまったお金が必要になる予定が大体頭に入っていて、それに対してお金を貯めておく余裕を持ったプランを考えることができるのです。

たとえば、「6月に引っ越しがあって60万円くらい必要になりそうだな」とか「9月に車検があるから20万円くらい用意しておかないと」というざっくりとした年間のスケジュールと、「今月は趣味の集まりが多いからほかの出費を抑えておこう」とか「今週は金曜日に飲み会があるから6000円くらいは使いそうだし出費は控えよう」という月単位、週単位の見通しですね。

これがあるのとないのでは大きく違いが出ます。こういった先のことをイメージしながら今のお金を使う習慣がない人は、すべてが急な出費・予定外の出費になってしまって、お金が貯まりにくい悪循環に。先を見通して使うことが重要です。

おすすめなのは、卓上カレンダーにお金を使いそうなスケジュールを書き込んでおくこと。これをやっておけば簡単に先の見通しが立ちますし、忘れることもありません。

増える人は「お金が好き」、増えない人は「お金に興味がない」

お金が増える人は「お金が好き」な人です。そう言うと、「誰だってお金は好きだ」という声が聞こえてきそうですが、そういうことではありません。お金が好きで、お金のことを気にかけてあげているか、お金を大切にしているかということです。お金が増える人はお金を大事に使いますし、お金を大事に保管します。

毎日お財布をきれいにして、財布の中身を確認する。その日の出費を計算し、自分のお金を大事に使う、ということがすでに習慣化されているんですね。お金を稼ぐことも、お金をもらうことも、お金が増えることも好きでいる人ほどお金が集まってきます。

そういう習慣がない人は、人よりお金に無関心なのかもしれません。そういう人の元にお金はやってこないので、まずはお金を大事に扱うことから始めてみましょう。

まとめ

いかがでしたか。お金が増える人と増えない人の差というのは、それほど大きなものではありません。ただ、やっぱり気を付けておかないと差はどんどん広がってしまうもの。気が付かないまま過ごしてしまうと、後から痛い目にあうので、最初は多少つらくても頑張って取り組むようにしてください。そうして積み上げたものが、将来のあなたを救ってくれるはずですよ。

大塚 ちえ