2. 【学費一覧表】中学校3年間でかかる学費の総額は?

では、学費の内訳はどうなっているのでしょうか。同調査から、中学校の学習費を公立と私立に分けて一覧表にしました。

2.1 <中学校でかかる年間の費用>

令和3年度子供の学習費調査(中学校)

令和3年度子供の学習費調査(中学校)

出所:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 公立…53万8799円(13万2349円、3万7670円、36万8780円)
  • 私立…143万6353円(106万1350円、7227円、36万7776円)

※()内は学校教育費、学校給食費、学校外活動費の順

公立中学は、学習費総額53万8799円のうち、学校教育費が13万2349円、学校給食費が3万7670円、習い事などの学校外活動費が36万8780円かかっています。

私立中学は、学習費総額143万6353円のうち、学校教育費が106万1350円、給食費が7227円、学校外活動費が36万7776円かかっています。

さらに、私立中学や中高一貫校を受験する場合には、一般的に小学校高学年から受験対策が必要になります。

特に、「中学から先はずっと私立」という場合、小学校中学年頃から学費負担は増えていきます。

私立への進学を予定しているなら、これらの費用をどのように捻出するのかご家庭で話し合っておくとよいでしょう。

3. 子どもの教育資金をサポートする施策

ここからは、子どもにかかる教育資金をサポートする施策をご紹介していきます。

3.1 児童手当

現行の児童手当の支給額は「3歳未満が一律1万5000円」「3歳以上〜中学卒業まで1万円、ただし、第3子以降は1万5000円」と定められていましたが、今後、第3子以降は3万円と倍増で支給される予定です。

また、2023年8月末に公表された「こども家庭庁『令和6年度予算概算要求の概要』」において「児童手当の所得制限の撤廃」が明記されたことから、今後は所得にかかわらず児童手当を受け取れるようになります。

3.2 就学援助制度

就学援助制度は、経済的な理由で学校に通うことが難しい児童や生徒の保護者に、授業料以外の教育費を支援する市区町村の制度です。具体的には、学用品費や給食費、修学旅行費などが援助されます。

対象は経済的に困窮している家庭で、各自治体が定める基準に該当する家庭が対象です。

ただし、自治体ごとに基準が異なるため、詳細は自治体のウェブサイトをチェックするか、学校から配布される資料を確認することが重要です。

3.3 受験生チャレンジ支援貸付事業

「受験生チャレンジ支援貸付事業」とは、東京都内の中学3年生や高校3年生などの受験生向けの制度です。この制度では、学習塾や受験対策講座、通信講座などの受講料や、高校や大学の受験料などが負担できない家庭に、無利子で必要な資金を貸し付けます。

学習塾などの受講料については最大20万円まで、高校受験料は2万7400円まで、大学などの受験料は8万円までの貸し付けが可能です。

対象となるのは、一定の所得以下の世帯で、対象の高校や大学に入学した場合には、返済が免除される手続きがあります。

3.4 公営塾・貧困世帯向け無料塾

「公営塾」とは、地方自治体が運営する学習塾のことです。経済的な理由で民間の学習塾に通えない子どもたちが、無償または破格の料金で通える場所です。全国の約1割の自治体に設置されています。

例えば、東京都足立区では、「足立はばたき塾」という公営塾が中学3年生を対象に開催されています。これは、成績上位で学習意欲も高いが、家庭の事情などにより塾等の学習機会の少ない生徒を中心として、難関校への進学を目指す塾です。

なお、貧困世帯向けの無料塾は自治体だけでなく、民間の法人が運営している場合もあります。

4. まとめにかえて

今回は中学校3年間にかかる学費とあわせて、子どもたちの生活を支援する施策について紹介してきました。

物価上昇が加速している日本では、教育費以外にも住宅購入資金や老後の資金など、現役世代から備えておかなければならないお金が数多く存在します。

公立と私立、どちらの中学校に通うとしても、どのくらいの費用がかかるのか事前に把握しておくことは大切です。

子育て支援については自治体ごとに異なる点もあるため、お住まいの自治体がどのようなサポートを実施しているのかも知っておくと安心ですね。

参考資料

中本 智恵