2023年9月に公表された国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査結果」によると、民間企業勤務者の平均年収は457万6000円。この結果、平均給与は2年連続で増加となりました。

また、2024年3月22日に公表された「2024年春季生活闘争の第2回回答集計」によると、賃金の引上げ分は2015年の闘争以降、最も高くなったといいます。

世間一般で平均給与が上昇しているとはいえ、自分自身の年収アップにはキャリアチェンジや昇進が不可欠。課長や部長など「中間管理職」への昇進を目指す人も少なくないかもしれません。

また、責任や業務量など追加される分だけ対価も弾むのでは……という思いがあるのと同様に、自分自身の夢や希望を優先したいという気持ちから非正規雇用を選ぶ人もいます。

今回は、この金額差に注目。正社員と非正規雇用の平均給与の差はどのくらいあるのかを確認していきます。記事の後半ではあわせて、中間管理職の給与についても確認していきます。

1. 30年ぶりの水準賃上げが実現! 実質賃金の伸び率は?

日本労働組合総連合会(連合)が、2024年3月22日に「2024年春季生活闘争の第2回回答集計」を公表。

同資料によると、平均賃金方式で回答を引き出した1446組合における、定昇相当込み賃上げの加重平均は1万6379円(5.25%)。2015年以来、最高の引上げとなったことを明らかにしました。

物価高による賃上げへの期待が高まった点と、企業が人材を確保したい企業の思惑も重なった結果といえるでしょう。

時系列でみると給与や賃金は伸長しているといえますが、これにより生活面の余裕はできるのでしょうか。

厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査(確報)」では、2023年12月の実質賃金はプラス0.8%という結果でした。

そもそも実質賃金とは、労働者の購買力を示す指標のこと。労働者が雇用主から受け取る賃金の金額そのものを指す「名目賃金」から、消費者物価指数に基づいた物価変動の影響を加味して算出されます。

そんな実質賃金は今年8月だけでなく、17ヵ月連続でマイナスという結果が出ています。賃金は上がっていても、物価高騰に追いついていない状況が続いているといえるでしょう。

結果だけみると、いわゆる「賃金水準が物価高に追いつかず、家計が圧迫されている」という状態がうかがえます。

賃金や給与などについて、今度は雇用形態別に生じる給与差をみていきましょう。